【角田裕毅F1第3戦展望】シミュレーター作業にフェルスタッペンも納得の一方、RB21の評価は「乗ってから」と冷静な姿勢
今年のF1第3戦日本GPで、日本のファンが最も注目していることのひとつが、『レッドブルに移籍した角田裕毅がどのような走りを披露するのか』であるのは間違いないだろう。
木曜日のメディアセッションでも多くの質問がこの点に集中した。その質問に対して角田は一貫して同じ回答を行っていた。それは「RB21がどんなクルマかは走ってみないとわからないが、不安はない」というものだ。
角田が不安を抱いていないのには理由がある。ひとつは角田のドライビングスタイルだ。
「僕はFIA F2まではフロントが入るのが好きで、リヤを滑らせていました。でも、F1に上がってきてからは、アルファタウリやレーシングブルズのクルマはフロントが弱く、かなり苦労しましたが、それに合わせた走りをするしかなかったんです」
ところが、この日本GPから乗るレッドブルのマシンはリヤがナーバスな特性を持つ。
「ターンインした時のリヤの挙動がレーシングブルズのマシンの方が抑えられている感じで、レッドブルのRB21のほうがセンシティブな印象です。ただ、それ(RB21)より悪いレーシングブルズのマシンも運転したことがあるので、それと比べると中間くらいかなと。バランスだけを考えるとレーシングブルズの今年のマシンのほうがRB21よりもリヤの安定性に関してはいいですね」
つまり、扱いづらいと言われているレッドブルのマシンだが、角田にとっては元々持っていたドライビングスタイルに合っているとも言える。だから、角田はこう言う。
「レッドブルのクルマに乗ったときに、いかに昔の感覚を取り戻してドライビングを調整できるかがポイントになると思います」
角田に不安がないもうひとつの理由は、シミュレーションでセットアップ変更を行う場合のいくつかの方向性を確認できていることだ。
第2戦中国GPの結果を受けて、日本GPからレッドブルはもう1台のマシンには必ずしもマックス・フェルスタッペンのセットアップを転用しない方向性を打ち出した。この方向転換はさっそく功を奏したと角田は言う。
「もともとレッドブルも僕と同じような考えを持っていて、先週シミュレーターに乗っていたときに、僕がレーシングブルズでやっていたセットアップを試したら、かなりよくなって、全体的なパフォーマンスが上がったんです。その後、マックスがそのセットアップを試したら、マックスもフィーリングがよくなって『いままでで一番いいセットアップだった』と言っていたそうです。なので、マックスも今回の日本GPは僕寄りのセットアップでフリー走行を走り始めると聞いています」
もちろん、シミュレーターはあくまでシミュレーター。しかし、それは角田自身がよく理解している。
「まだ乗っていないので、RB21がどんなクルマかはわかりません。それを判断するのは、乗ってみてからです。そもそもシミュレーターには限界があって、シミュレーターの動きがそのまま実車に反映することを僕は期待していません。僕がシミュレーターでやったことは、いろんなセットアップを試すこと。リヤがナーバスになったときにどういうセットアップ変更が効果的かという引き出しを多くできたという点で、いい準備ができたと思います」
本当に不安はないのか。
「考えたらキリがないですが、ないですね。それにレッドブルには優秀なエンジニアたちがたくさんいて、彼らは僕よりもクルマのことを知っている。だから、僕はそのクルマを明日走らせてどんな動きをしているのか、そしてどういうクルマにしたいのかを伝えるだけ。そのあとはエンジニアたちに任せて、彼らがテーラーメイドしてくれると思います」
根拠のある自信を胸に、角田裕毅のレッドブルでの初めての公式セッションがいよいよ始まる。