アルピーヌ、育成ドライバーのクッシュ・マイニをテスト兼リザーブドライバーに起用
アルピーヌ・アカデミーのメンバーであり、ダムス・ルーカスオイルからFIA F2に参戦するクッシュ・マイニが、来たる2025年のF1シーズンに向けて、アルピーヌのテスト兼リザーブドライバーの一員となった。
2023年10月にアルピーヌ・アカデミーに加入して以来、インド人のマイニは急成長を遂げており、インビクタ・レーシングから参戦した2024年のF2シーズンでは結果を残し、ブダペストでの優勝を含む5回の表彰台を獲得して注目を集めた。
現在、24歳のマイニは、F2での3年目を迎える準備を進めている。それと同時にアルピーヌF1チームでの重要な役割をキャリアに加え、彼のスケジュールにシミュレーター作業、マシン開発、トラックテストを組み入れている。
マイニの新たな役割は、アルピーヌでの将来を形作る実践的な機会となる。マイニはチームのエンストンにある拠点からドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターの走行を行い、マシンのセットアップの微調整と開発目標をサポートする。また、旧型車を使用したテスト(TPC/Testing of Previous Cars)プログラムの恩恵を受け、F1マシンのステアリングを握ってスキルを磨くことになる。
同僚のリザーブドライバーであるポール・アーロン、平川亮、フランコ・コラピントとともに、マイニは過酷なシーズンを通してチームを支える準備ができている才能豊かなチームに加わることになる。
マイニはアルピーヌが発表した声明のなかで、「今シーズン、BWTアルピーヌF1チームのテスト兼リザーブドライバーの役割にステップアップすることができ、うれしく思う」と述べた。
「一昨年アルピーヌ・アカデミーに加入して以来、アルピーヌファミリーの全員から信じられないほどの歓迎を受けているし、フラビオ(・ブリアトーレ/エグゼクティブアドバイザー)とオリバー(・オークス/アルピーヌF1のチーム代表)の継続的なサポートに感謝している」
「この役割によって、F1マシンに乗ってより多く時間をトラックで過ごし、2024年にチームとともに学んだことをもとにして、さらに積み重ねていくことを楽しみにしている」
しかし、マイニの焦点はまだF1だけにあるわけではない。3度目のF2シーズンが迫るなか、彼は目前の勝利に目を向けている。
「できるだけ早くこの役割を始めることにとても興奮しているが、今は今週末オーストラリアで始まるF2での3年目のシーズンに集中している」
同様に、アルピーヌがマイニに信頼を寄せていることは明らかだ。アルピーヌ・アカデミーのディレクターを務めるジュリアン・ラウズは、この若いドライバーが辿ってきた道を称賛した。
「アルピーヌ・アカデミーにおけるクッシュの役割が拡大し、今シーズンはチームのテストドライバーとリザーブドライバーとしての任務が含まれるようになることを発表でき、非常にうれしく思う」
「我々と仕事をするなかで、クッシュはTPCでのパフォーマンスとF2の結果を通じてチームに強い印象を与えてきた。2025年も彼がその調子を継続することを期待している」
「彼が幅広い役割を担うことで、繁忙期にチーム全体にサポートとリソースを提供できるドライバーの人材プールをさらに拡大することができる」
マイニにとって2025年は、シミュレーターセッション、F1のテスト走行、F2での戦いが目まぐるしく繰り広げられる年となるだろう。これは、モータースポーツの頂点を味わいながら、下位シリーズで技術を磨くという、ふたつの世界にまたがる貴重な機会だ。
アルピーヌ・アカデミーの新人からF1チームの要となるまでのマイニの道のりは、彼の才能と、チームが彼の可能性に抱く信頼の両方を反映するものだ。オーストラリアでF2のシーズン開幕に臨む彼の前には、おそらくフルタイムのF1シートへと直結するであろう可能性の光が輝いている。
今のところ、マイニの物語は根気、成長、そしてスピードへの飽くなき追求の物語となっており、アルピーヌは彼らの新星に大きく賭けている。