F1プレシーズンテスト初日:停電で赤旗中断、セッション延長で夜間も走行。トップはマクラーレンのノリス
バーレーンでのF1プレシーズンテストが2月26日にスタートし、全10チームの20人のドライバーが2025年型ニューマシンで走行した。気温が低く、風が強く、一時小雨が降るコンディションとなったこの日、トップタイムをマークしたのはマクラーレンのランド・ノリスだった。
メルセデスのジョージ・ラッセルが2番手、レッドブルのフェルスタッペンが3番手に続き、レーシングブルズの角田裕毅は10番手だった。ハースのオリバー・ベアマンのみが自己ベストタイムをC2タイヤで記録、残りの19人はC3タイヤで自己ベストを出した。
走行時間は、現地10時から14時(日本時間16時から20時)、ランチタイムをはさんで15時から19時(日本時間21時から25時)に定められている。しかし26日には、午後のセッション残り約2時間となった時点で、サーキット全体が停電に見舞われため、赤旗中断となった。原因は、外部変電所における故障で、それによりチームのガレージやトラックの照明システムが消えてしまい、レースコントロールは、赤旗を出してセッションを中断した。
電気が復旧するまで、セッションはおよそ1時間中断され、残り約50分の時点でセッションが再開。その後、F1、FIA、チームは、貴重な走行時間を取り戻すために、セッションを1時間延長することを決めた。
2024年F1コンストラクターズチャンピオンのマクラーレンは、午前にオスカー・ピアストリ、午後にランド・ノリスを走らせた。ピアストリは午前の10人中8番手にとどまったが、午後に登場したノリスが、全体のトップタイムを記録した。ノリスは、「楽しい一日だった。やりたいと思っていたテスト作業の多くをこなすことができた。今後、もう少しプッシュして走るのが楽しみだ」とコメントしている。
●ランド・ノリス(マクラーレン)1番手:1分30秒430 (C3タイヤ)/52周(午後)
●オスカー・ピアストリ(マクラーレン)17番手:1分32秒084 (C3タイヤ)/66周(午前)
メルセデスのジョージ・ラッセルが、午後に走行し2番手、午前中に走ったルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリは、午前セッションで最速、全体では7番手となった。
アントネッリは、「良いセッションだった。W16のステアリングを握り、プログラムに取り組む時間は本当に楽しかった」とコメントした。
「周回を重ね、マシンの感触をつかみ始めた。今日はプログラムを終えたが、残り2日間でこなすべき作業がたくさんあるから、また走るのが楽しみだ」
●ジョージ・ラッセル(メルセデス)2番手:1分30秒587(C3タイヤ)/70周(午後)
●アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) 7番手:1分31秒428(C3タイヤ)/78周(午前)
レッドブルに新加入したリアム・ローソンが午前に走行し、10人中2番手。午後からはマックス・フェルスタッペンが走り、全体の3番手タイムを記録した。一日が終了した時点で、ローソンは総合8番手となった。
フェルスタッペンは「すべての感触が良好だった」とコメントした。「良い意味でのサプライズだから、良かったよ。ペースについてはまだ分からないけれど、すべてがうまく機能し、マシンは僕が望むとおりに動いてくれている」
●マックス・フェルスタッペン(レッドブル)3番手:1分30秒674(C3タイヤ)/74周(午後)
●リアム・ローソン(レッドブル)8番手:1分31秒560(C3タイヤ)/58周(午前)
フェラーリに新加入したルイス・ハミルトンが午前セッションで10人中5番手。午後にはシャルル・ルクレールがマシンを引き継ぎ、全体の4番手となった。
最終的に20人中13番手となったハミルトンは、「今はさまざまなことを試し、できるだけ多くのデータを収集し、マシンに慣れることに重点を置いている。すでに多くのことを学んでいるよ」とコメントしている。
●シャルル・ルクレール(フェラーリ)4番手:1分30秒878(C3タイヤ)/71周(午後)
●ルイス・ハミルトン(フェラーリ)13番手:1分31秒834(C3タイヤ)/70周(午前)
今年チームに加入したカルロス・サインツは午後を担当し、全体の5番手。午前に走ったアレクサンダー・アルボンは9番手だった。
「停電で走行が中断されたけれど、チームにとってポジティブな初日だった」とサインツはコメントしている。「走行プランを完了することができ、初日の主な目標どおり、多くの周回を走行することができた。第一印象はポジティブだが、次の2日間で、ショートラン、ロングランの両方で、マシンバランスの改善を試みる」
●カルロス・サインツ(ウイリアムズ)5番手:1分30秒955(C3タイヤ) /68周(午後)
●アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)9番手:1分31秒573(C3タイヤ)/63周(午前)
アルピーヌは、午前にルーキーのジャック・ドゥーハン、午後にピエール・ガスリーを走らせた。ガスリーは全体の6番手、ドゥーハンは14番手タイムをマークした。
ドゥーハンは「マシンに乗ってさまざまなセットアップやタイヤコンパウンドについて感触をつかむ作業は楽しかった」と語った。
●ピエール・ガスリー(アルピーヌ)6番手:1分31秒353(C3タイヤ)/72周(午後)
●ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)14番手:1分31秒841(C3タイヤ)/68周(午前)
レーシングブルズの午前を担当した角田裕毅は、午前中は4番手、全体では10番手のタイムを記録。「マシンが予想していたとおりに機能し、ポジティブな一日でした」と角田は感想を述べた。
午後にはルーキーのアイザック・ハジャルが走行、タイムは角田に続く11番手だった。ハジャルは、F1レギュラードライバーになって初めて参加したテストがとても楽しかったとコメントしている。
●角田裕毅(レーシングブルズ)10番手:1分31秒610 (C3タイヤ)/78周(午前)
●アイザック・ハジャル(レーシングブルズ)11番手:1分31秒631(C3タイヤ)/76周(午後)
キック・ザウバーは、ベテランのニコ・ヒュルケンベルグを午前セッションに起用、午後にはルーキーのガブリエル・ボルトレートを走らせた。タイムは、ボルトレートが12番手、ヒュルケンベルグが18番手だった。
ボルトレートは「C45での公式初日は、とても興味深い経験だった」と語った。「セッションを通してエアロ走行に重点を置き、さまざまな面をテストし、たくさんの距離を走ることができた。終盤にはフレッシュなタイヤセットを使って、少しプッシュして、楽しむことができた。今日の成果にはとても満足している」
●ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)12番手:1分31秒690(C3タイヤ)/59周(午後)
●ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)18番手:1分32秒169(C3タイヤ)/55周(午前)
午前中にアストンマーティンのテストを担当したフェルナンド・アロンソは、午前では7番手、全体では15番手だった。午後に登場したランス・ストロールは16番手で、アロンソのすぐ後ろに続いた。
●フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)15番手:1分31秒874 (C3タイヤ)/46周(午前)
ハースは、午前中にオリバー・ベアマン、午後にエステバン・オコンを走らせた。オコンはこの日最多の88周を走りこみ、「ロングラン・パフォーマンスに焦点を当てた。とても興味深いセッションで、たくさんのデータを集めることができた」と述べている。
ベアマンは20人中唯一、ハード寄りのC2タイヤで自己ベストタイムを出した。
●エステバン・オコン(ハース)19番手:1分33秒600 (C3タイヤ)/88周(午後)