フェラーリが新車『SF-25』を発表。フロントサスペンションをプルロッドに変更、全エリアを見直し空力的進化を狙う
フェラーリは、F1が75周年を記念して開催した、全チームが参加するローンチイベント『F1 75 Live』において、2025年型マシンのカラーリングを披露した後、『SF-25』の画像を公開した。
ロンドンのO2アリーナでのイベントには、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールと、新加入したルイス・ハミルトンおよびチームメイトのシャルル・ルクレールが登場、ショーカーにより2025年バージョンのカラーリングをお披露目した。
フェラーリはその直後、『SF-25』の画像を公開した。2025年型マシンは、グラウンドエフェクトカー第2世代の4台目にあたり、2026年には大幅な技術規則変更により、新世代のマシンに切り替わる。しかしフェラーリは、今シーズン、「完全に新しいマシン」を導入、これまで採用されてきた技術とは異なるソリューションを盛り込んだという。
最も目立つ変更点は、フロントサスペンションがプッシュロッド式からプルロッド式に変更されたことで、それにより、マシン周囲の空気の流れを整え、空力開発における可能性を拡大することを目指している。チームは、「従来の設計では空力的な進化の余地がほぼ尽きていたが、新設計によってさらなる発展が可能になった」と述べている。
「『SF-25』は昨年のマシンを基盤としながらも、すべての側面で進化を遂げたマシンである。レギュレーションが最終年を迎える今シーズン、各チームの実力が拮抗することが予想され、わずか1000分の数秒のラップタイムの差が勝敗を分ける要因となるだろう。そうした環境の中で、最大限のパフォーマンスを引き出すことを目指して設計されている」
シャシー担当テクニカルディレクターのロイック・セラは、「SF-25はSF-24の進化形ではあるが、その99%を刷新し、パフォーマンス最大化のために設計を見直した」とコメントした。
「プルロッド式フロントサスペンションは、その中でも最も顕著な変更点だ。今シーズンのレースは非常に僅差の戦いになるだろう。ほんのわずかなパフォーマンス向上でも勝敗を分ける要素になるはずだ。開幕戦から全力を尽くす準備はできている」
カラーリングについては、ベースカラーにはマット仕上げのダークなレッドが採用され、ホワイトが強いアクセントとなっている。
「白と赤のコントラストは、フェラーリの歴史とアイデンティティを象徴し、洗練されたスポーティさと時代を超えた美学を表している」とチームは説明している。
「ホイールリムは赤く彩られ、カーナンバーはフェラーリの公式フォント『Ferrari Sans』で白く描かれている」
フェラーリは19日にフィオラノで『SF-25』のシェイクダウンを非公開で行う予定。ハミルトンとルクレールがニューマシンの初走行を行った後、チームは2月26日から3日間で行われるプレシーズンテストに向けてバーレーンに向かう。