“神童”アントネッリ加入のメルセデス、合同発表会で2025年型マシンの新カラーリングを公開
メルセデスAMG・ペトロナスF1チームは2月18日、全10チームが一堂に会したローンチイベント『F1 75ライブ』の会場において、今季2025年のマシンカラーリングを初公開した。
F1史上初の試みとしてイギリス、ロンドンで実施されたこのローンチイベントは、これまでチームごとに時間も場所もバラバラだったニューマシンの発表を同日に同一会場で行うもの。会場には熱心なF1ファンや多くのメディアが詰めかけ、各チームの発表を見守った。また、イベントの模様はテレビ中継やインターネットでのライブ配信によって世界中に届けられた。
同イベントで7番目の登場となったメルセデスは、今シーズンに向けてドライバーラインアップを変更した8チームのうちのひとつだ。ペトロナスのサポートを受けるドイツ籍のチームは昨年、レッドブル、マクラーレン、フェラーリに次ぐ年間4勝を挙げるも、トータルのパフォーマンスでこれらのライバルチームの後塵を拝し、2023年に記録したコンストラクターズランキング2位から同4位へ転落した。
トト・ウォルフ代表の下でふたたび常勝軍団への返り咲きを目論むメルセデスは、ともに栄光の数々を手にしたルイス・ハミルトンがフェラーリに移籍することで空いたシートに、“秘蔵っ子”として注目された18歳のアンドレア・キミ・アントネッリを起用する。
2006年生まれのイタリア人ドライバーは、カート時代からメルセデスの指導を受け2019年にメルセデス・ジュニア・チームに加入。2021年よりイタリアF4やADAC F4、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権などに参戦してタイトルを獲得すると、2024年には“飛び級”でFIA F2へ。初年度から2勝を挙げランキング6位に食い込んでみせた。
早くからハミルトンの後任のうわさが絶えなかった彼は、シーズン中からF1マシンでの走行機会が与えられ、クラッシュというほろ苦いデビューとなったが母国グランプリが行われたモンツァで『W15』をドライブしている。
一方、今年F1でのキャリアが7年目となるジョージ・ラッセルは、メルセデスで4度目のシーズンをスタートさせる。27歳のイギリス人は昨季4度のポールポジションを獲得し、チームが記録した4勝のうちのふたつのグランプリでウイナーに。このうち第11戦オーストリアGPでのシーズン1勝目は自身2年ぶりの優勝となっている。ドライバーズランキングは元王者ハミルトンを上回る6位だった。
18日の合同新車発表会では、メルセデスの過去の栄光や挫折これからの挑戦を表したビデオに続いて、2025年仕様のカラーリングが施されたマシンがチームメカニックとともに登場。さながらピットアウトするように単独でランウェイを進んで観衆の前に現れ、それに続いて今季のチームを牽引していくラッセルと、ルーキーのアントネッリ、そしてウォルフ代表が登壇した。
ニューマシン『W16』のカラーリングは2024年から踏襲され、引き続きブラックをベースカラーとしながらノーズ部分にシルバーが入る。また今季仕様リバリーではインダクションポッド部分にもシルバーが取り入れられているのが特徴だ。サイド部ではシルバーが減りペトロナスのエメラルドグリーンの存在感が増した。エンジンフード部分にスリーポインテッド・スターが並ぶのは従来どおりだ。
なお、メルセデスはこれまでイギリス・シルバーストンで発表会を実施し当日にシェイクダウンを行ってきたが、今季はこの伝統から離れることを発表済み。新型マシンの発表は今月24日月曜に画像を公開するかたちで行い、翌25日火曜にバーレーンでニューマシンの初走行を予定している。