マクラーレンのパト・オワードがF1タイヤテストに参加。アルピーヌ、メルセデスも走行重ねる
マクラーレンのレースドライバーたちがイギリス、シルバーストンで2025年型マシン『MCL39』のシェイクダウンの準備に忙しくしているなか、チームは12日、2026年仕様のタイヤ開発に協力するためメキシコ人リザーブドライバーのパト・オワードをピレリに派遣した。
イタリアのタイヤブランドは、今回のテストから拠点をスペインのバルセロナから同国ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(ヘレス・サーキット)に移したが、これが奏功した。ソフト寄りのスリックタイヤのプロトタイプを試すにあたり、期待を上回る好天に恵まれたのだ。
なお、このテストにはマクラーレンだけでなく、アルピーヌ、メルセデスも参加しており、それぞれのチームが“ミュールカー”を1台ずつスペイン南部に送った。
引き続きマクラーレンとのインディカープログラムに取り組んでいるオワードにとって、これは別のレーストラックを学び、トラクションがもっとも重要となる非常に低速なレイアウトで改造版『MCL60』をテストする絶好の機会となった。
このメキシコ人ドライバーは、C2、C3、C4の異なるプロトタイプタイヤを履いてグランプリ2回分以上となる、合計153周を走行して1分19秒484のベストタイムを記録した。その後は、シルバーストンに戻って新車発表に関連する写真や映像撮影の必要があるため、オワードはマクラーレンのテストチームとともにヘレスを離れている。
翌13日木曜はメルセデスがピレリの仕事を担当する番だったため、レースドライバーのジョージ・ラッセルが、モディファイされた『W15』のステアリングを握った。このクルマは2026年仕様のマシンのハンドリングをシミュレートするためにダウンフォースが減らされたうえ、サスペンションに変更が施されたものだ。
1日ずつの参加となったマクラーレンとメルセデスに対し、2日続けて走行したアルピーヌは、ライバルチームが使用したピットボックスからいくつか離れたガレージに、ふたりのレースドライバーを送り込んだ。テストではピエール・ガスリーとジャック・ドゥーハンが1日ずつ走行を分担し、改造された『A523』で周回を重ねた。
初日に登場したフランス人ドライバーは好天を最大限に生かして157周をラップ。1分18秒092のベストタイムを記録した。ルーキーのオーストラリア人は113周を走破し、1分17秒255をマークしている。
ヨーロッパの他の地域が引き続き寒さと雨に耐えているなか、スペイン南部のアンダルシアでは気温が20℃に達する日が続いており、路面温度は11時から15時の間に35℃を超える。そのためピレリが来シーズンのタイヤ用に準備しているすべてのソリューションをテストするうえで、現在のヘレスはより有意義な環境と言えるだろう。