エアロ面で繊細な管理が施されているRB20のため、角田裕毅のヘルメットにもひと工夫/アブダビテスト詳報(2)
12月10日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットでピレリのタイヤテストが行われ、オラクル・レッドブル・レーシングから角田裕毅が参加した。角田がレッドブルのマシンをドライブするのは今回が初めてだったが、終日ステアリングを握った角田は127周を走行した。角田のテスト後半の様子を写真とともに振り返る。
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プログラムの違いから、もう1台のレッドブルのマシンを走らせているアイザック・ハジャルが午後1時前に休憩に入る中、角田裕毅が前半のセッションを終了したのは午後1時15分だった。
レッドブルのシャツに着替えて、レッドブルのホスピタリティハウス横にあるテラスでランチをとる角田。トレーナーのジョン・ヌーナン(角田の右奥)のほか、テストでレースエンジニアを務めているリチャード・ウッド(角田の左隣)とパフォーマンスエンジニアのリチャード・クック(左手前)、そして今回のテストの全体をマネージメントしていたベン・ウォーターハウス(左奥)も一緒のテーブルでランチを摂りながら、午後のセッションに向けてランチミーティングをしていた。
白いインナーウェアからネイビーに着替えて、後半セッションに臨む角田。
セットアップ変更のためにコクピットを降りた角田に、レッドブルのオフィシャルカメラマンが近寄ると、角田は気を利かせてカメラマンのリクエストに応えて笑顔を見せるシーンも。
午後3時42分、この日、最初のミディアムタイヤでの走行開始。
後半セッションも基本的に15周前後のロングラン中心のメニュー。午後5時の時点で角田が装着したタイヤはC2、C3、C4の3種類で、合計111周を走行。ベストタイムは前半セッションの2回目のロングランで記録した1分25秒568のままだった。
ミディアムタイヤでのロングランを終えてピットに帰ってきた角田は、ヘルメットを脱ぎ、トレーナーのヌーナンに交換を要求。
ガレージにマシンを戻された角田だが、すぐにコクピットを降りずに、最後の走行で感じていたことを数分間にわたってエンジニアにフィードバック。今回のテストでレッドブルのリーダー的な役割を担っていたウォーターハウスは、角田の走りをこう評価した。
「今日は本当に充実した1日だった。両車とも安定した走りで250周以上を走り切り、チーム全体も長いシーズンを経て高いレベルを維持し続けている。今日我々は初めてユウキと本格的なテストを行った。非常に高いレベルで我々のマシンを走らせ、期待通りのパフォーマンスを発揮してくれた。ユウキのこのテストでの役割は2025年のピレリタイヤで行った様々なデータを収集することで、非常に有益なフィードバックを提供してくれた。ユウキの走行によって得られたデータを、2025年にさらなるパフォーマンス向上に役立てたい」