「僕はもう速くない」と自己評価を下した低調なハミルトン。一方でフェラーリ代表はパフォーマンスを心配していないと主張
7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは最近メルセデスで苦戦しているものの、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、最高レベルのパフォーマンスを発揮する彼の能力に対する懸念を一蹴した。
ハミルトンは今シーズン、W15から最大限のパフォーマンスを引き出すという課題に直面し、チームメイトのジョージ・ラッセルの影になっていることが多かった。第23戦カタールGPでの厳しいレースは、ハミルトンの苦闘を象徴するもので、ハミルトンはジャンプスタート、パンク、そしてピットレーンでの速度違反に対するドライブスルーペナルティを経て、12位でレースを終えた。
金曜日、スプリント予選で7番手と振るわなかったハミルトンは、「僕がもう速くないのは間違いない」と自身の見解を語った。マラネロへの移籍の数週間前にハミルトンが下した、やや心配な自己評価だった。
しかしバスールは、懸念はないと述べ、今シーズンのハミルトンの傑出した走りは、彼の永続的な才能の証拠だと指摘した。ハミルトンの最近の調子について心配しているかと聞かれると、バスールは「まったくそんなことはない」と答えた。
「彼がラスベガスで走った50周を見てほしい。10番手からスタートし、ラッセルのすぐ後でフィニッシュした。私はまったく心配していない」
ハミルトンがアブダビでメルセデスとの最後のレースウイークを迎えようとしているなか、チーム内では感情が高まっている。12年間のパートナーシップの終了は、6回のドライバーズタイトルと8回のコンストラクターズタイトル獲得を含む、比類のない成功をもたらした時代の終わりを意味する。メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフは、移行の年を乗り切ることの難しさを認めながらも、ハミルトンの貢献を称賛した。
「正直に言って、ルイスとチーム全員でよい仕事をしてきたと思う」とウォルフは語った。
「シーズンの初めに彼が去る決断をしたとき、困難な1年になるだろうとわかっていた。それはごく普通のことだ」
「彼はどこか別の場所に行くことをわかっている。我々の将来はキミ(アンドレア・キミ・アントネッリ)とともにある。そして、浮き沈みを乗り越え、それでも我々の間で団結を保つことができた。それが我々が達成してきたことだと思う」
現在のシーズンに不満を抱えているものの、ウォルフは彼らのパートナーシップのレガシーは変わらないと強調した。
「今は、非常にまずいレースが見られている。彼が自分の感情を率直に出すのは明らかだ。自分の感情を表現することは、完全に許されている。問題はない」
「しかし、8回のコンストラクターズタイトルと、6回のドライバーズタイトルを獲得した12年間の素晴らしい記録を奪うものは何もない。そしてそれは記憶に残るものとなる」
「次の日曜日以降は、特にまずいレースのあったシーズンのことよりも、この素晴らしい期間を振り返ることになるだろう。我々は、これからもよい思い出とともにあるだろう」
ハミルトンのフェラーリ移籍が差し迫っているが、これはドライバーとチームの両方にとって大きな変化となる。将来のチームメイトであるシャルル・ルクレールとともに、スクーデリアは彼らが2025年にチームをタイトル争いへ駆り立てることを期待している。バスールにとってハミルトンの最近の苦戦は、これから起こることへの興奮を少しも減らすものではない。7度のチャンピオンに対するバスールの信頼は確固たるものであり、フェラーリはハミルトンの経験と決意がチームの復活にとって重要な要素になると確信している。
ハミルトンがアブダビでメルセデスに別れを告げるなかで、両チームは素晴らしいパートナーシップの章を閉じると同時に、希望と可能性に満ちた新たな章を開こうとしているところだ。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています