早まった初陣は激戦区6位争いの最前線。それでも「ドゥーハンは準備ができている」とアルピーヌF1代表
オーストラリア出身の若手ドライバーであるジャック・ドゥーハンは、今週末のアブダビで急な状況に直面することになるだろう。それは彼のF1デビューが3カ月半も早まったためだ。
2025年シーズン開幕から、エステバン・オコンの後任ドライバーとしてアルピーヌF1と契約したドゥーハンは、カタールGP直後の月曜日にチームがオコンに別れを告げたことを受け、今シーズンの最終戦でピエール・ガスリーのチームメイトに抜擢された。
アルピーヌが公式発表を行う以前から、新しいチーム代表であるオリバー・オークスは、アルピーヌがハースとRBからチャンピオンシップ6位の座を守らなければならない週末であろうとも、若いドゥーハンがこの挑戦に対する準備ができていると断言していた。
現在59ポイントでコンストラクターズランキング6位につけるアルピーヌは、RBに13ポイント差をつけているが、ハースとはわずか5ポイント差。ヤス・マリーナ・サーキットで順位を守りきれる可能性があるが、そのことがグランプリデビューを飾るドゥーハンにプレッシャーを与えていることは間違いないだろう。
オークスは、数年前のリージョナルF3シリーズで、自身のチームであるハイテックでドゥーハンを起用したが、次のように警告した。「あのような(競争の激しい)レースでF1マシンに放り込まれたドライバーを評価するのは難しいことではないだろうか?」
「問題は、オリバー・ベアマンが(カルロス・サインツ(フェラーリ)の代役として出場した)サウジアラビアで驚異的なベンチマークを打ち立てたことだ。これはいい意味で言っているのだが、彼には優れた才能がある。キミ(・アントネッリ)はモンツァではプレッシャーがあったのだろう」
いずれにせよ、オークスは次のように考えている。「ジャック(・ドゥーハン)はただ、自分の見つけたものを受け入れるしかない。彼はそれに対処できるほどのプロフェッショナルだと思う。また、週末のFP1、FP2をゆっくり進めていけば、準備を整えることもできると考えている」
オークスは、自身が着任する前にアルピーヌがドゥーハンと行ってきた準備を振り返り、次のように認めた。「彼のためのプログラムはよく計画されていたと思う。(オスカー・)ピアストリの件では、チームはあまり評価されていないがね」
「彼らが、若いドライバーたちの扱いと育成に長けているのは明らかだ。ジャックも同じ道を歩んできた。彼はガレージで長時間私と過ごしてきたし、インターコムでフラブ(フラビオ・ブリアトーレ/アルピーヌ・エグゼクティブ・アドバイザー)が私に意見を言うのも聞いていた」同氏が「彼は確かに準備ができている」と語るのは、それが理由だ。
21歳の若手ドライバーにとってプレッシャーの大きい週末になるだろうが、これはブリアトーレがF1チームの代表だったときに、若いドライバーたちに対して好んで行ったことと非常に似ている。