2024.11.27

フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)


2024年F1第22戦ラスベガスGP ドライバーズ選手権で4連覇を達成したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
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 2024年F1第22戦ラスベガスGPで5位に入賞し、今シーズンのドライバーズ選手権を制したオラクル・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン。レース後、チャンピオンのみが出席する記者会見において、選手権4連覇を達成したフェルスタッペンは常に緊張感を持ってレースに取り組んでいたことや、今回のタイトルに誇りを感じている理由について語った。

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──マックス・フェルスタッペン、4度目のタイトル獲得おめでとうございます。率直な、いまの気持ちを教えてください。

マックス・フェルスタッペン(以下、フェルスタッペン):そうだね、とてもいい気分だよ。レースを始めたころ、伝説的なドライバーたちの統計データを目にする機会があった。そのとき、こう思っていたものだ。『すごい記録だなあ。いつか自分も表彰台に上って、レースに勝って、チャンピオンシップを勝ち取りたい』とね。レースで優勝するだけでも、すでに十分に難しい。さらに勝利を重ねるためには、適切なチーム状況に恵まれなければならない。僕は幸いにも、チームに恵まれ、2021年から3つのチャンピオンシップを獲得することができた。

 でも、今年は幸先のいいスタートを切ることができたけど、その後は厳しい戦いが続いた。中盤戦からは間違いなく僕たちのクルマは最速ではなくなかったからだ。それでも、僕たちはパニックに陥ることなく、チームとしてまとまって戦っていた。それはサーキットだけでなく、ファクトリーのみんなもハードワークをしてくれた。そのおかげで、いくつかの場所では期待以上のパフォーマンスを発揮できた。それが僕が今年のタイトルにこれまでとは違った価値を感じ、誇りを持っていることだ。

──クリスチャン・ホーナー代表は、今シーズンのあなたの走りは、あなたのキャリアで最も印象的だったと称えています。その言葉をあなたはどう感じていますか?

フェルスタッペン:僕もそう思っている。昨年はチームが何連勝もしていたように、勝てるクルマを手にしていたことは確かだ。でも、正しく評価されていなかったように感じていた。なぜなら、2023年のクルマは速かったけど、みんなが考えているほど圧倒的ではなかったからだ。それが今年は序盤を除けば、僕たちのクルマは最速ではなかった。シーズン全体の70%は最速のマシンではなかったのにライバルとの差を縮められることなく、逆に広げて、最終的に2戦を残してタイトルを確定させることができた。それが僕がこのタイトルを誇りに感じている理由だ。

マックス・フェルスタッペン&クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
2024年F1第22戦ラスベガスGP マックス・フェルスタッペンのドライバーズ選手権4連覇を祝福するレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表

──シーズン中、タイトル獲得に不安を感じたことはありましたか?

フェルスタッペン:この世界では常に自分自身を信じる必要がある。特に今シーズンは中盤に、何が起こっているのか理解できない問題が数多く発生した。そのとき、チームが少し迷っているように見えたこともあったことは事実だ。でも、チーム内で多くの人々が協力し、クルマに起きている状況を理解し、対応してくれた。そして、徐々に状況を好転させてくれた。特にオースティン以降は、再び戦えるまでにクルマを開発してくれた。このラスベガスはそんな今シーズンを象徴するような週末となった。とても寒く、コースレイアウトも独特なので、かなり厳しい状況で週末をスタートさせたが、立て直すことに成功した。本当に満足している。

──苦しかったシーズン中盤、ランド・ノリス(マクラーレン)にタイトルを奪われるのではないかと感じたことはありましたか?

フェルスタッペン:そうだね、マイアミGP以降は、僕たちのクルマはもう最速ではなかった。 マイアミGPはまだシーズンの序盤だから、50ポイントや60ポイントなんていう差は、無茶をしなければ簡単に覆すことができる。僕自身2022年に30〜40ポイント差を逆転した経験があるからね(開幕3戦を終了した時点で首位と46点差)。だから、何事も起こり得ると、リードしていても常に緊張感を持って、レースに取り組んでいた。ただ同時に、パニックにならずに自分がコントロールできることに集中し、毎週末全力を尽くすことだけを考えてもいた。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第22戦ラスベガスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

──今シーズンのレッドブルは、コース外でも厳しい戦いを開幕前から行っていたわけですが、それはあなたにとって、どれほど大変でしたか? そして、その状況をどのようにしてうまく乗り切ったのでしょうか?

フェルスタッペン:最初の頃はかなり、そうだね、チームはやや混乱していたと思う。でも、そういう状況でも僕はかなり冷静だったけどね。僕はどんなときでもレースに集中していた。僕はコクピットに座ると、すべて忘れて目の前に集中することができる。僕の仕事はどんな状況でもクルマが持っている性能を100%発揮させること。大変なことは何もなかった。

──チームが厳しい状況に陥ったとき、メルセデスからあなたに非常に高い関心が寄せられました。そのとき、レッドブルを離れてメルセデスや他のチームに移籍したり、あるいは完全に引退するかもしれないと思った瞬間はありましたか?

フェルスタッペン:正直に言うと、僕の頭のなかでは常に『自分はいつまでこれをやりたいのか? それをどのチームでやりたいのか? そして、どうやってこの仕事をやり続けるのか?』といったことが交錯している。でも、同時に僕はあまり思い切った決断をしないタイプでもあるんだ。そして、僕は今いる場所にとても満足している。チームにコミットしている。F3しか走っていない僕を拾い上げ、F1のシートを与えてくれた。チームの主要人物たちと長年、さまざまな感情を経験してきた。チームが僕にしてくれたことすべてに感謝している。苦しい時期に別れを告げたり、そこから逃げるのはとても簡単なことだ。しかし、僕はそれらと向き合い、みんなと対処し、一緒に乗り越えたい。ただ、僕にとって最も大切なことはレースを楽しむことができるかどうか、だ。そのためにはクルマのパフォーマンスが重要となる。もし楽しめなければ、僕にとってレースを続ける意味はないからね。

チャンピオン会見 (1)
選手権4連覇を達成したフェルスタッペンとレッドブルのクルーが記念撮影

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チャンピオン会見 (2)に続く



(Masahiro Owari)

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