スタート手順に違反したノリスとラッセル、罰金のみで順位変わらず。角田とローソンは情状酌量によりペナルティなし
F1サンパウロGP(ブラジルGP)決勝スタートがやり直しになった際の手順において違反を犯したとして、ランド・ノリス(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)に罰金が科された。なお、同様の違反を犯した角田裕毅(RB)とリアム・ローソン(RB)については、ノリスらの過失に影響された行為であると判断されて、ペナルティは科されなかった。
決勝のフォーメイションラップで、ランス・ストロール(アストンマーティン)がコースオフしたため、スタートの中止がレースコントロールから発表された。フォーメイションラップを終えてグリッドに戻ってきたポールシッターのノリスとセカンドグリッドのラッセルは、グリッドにとどまるべきところを、2周目に入った。続いて後続の角田とローソンも走行を続けた。しかし、このスタート中止のプロセス中にドライバーがグリッドを離れることは許されておらず、それを示す信号、表示パネル、メッセージングシステムでの通知は適切に機能していた。レースディレクターが、ドライバーがグリッドを離れないよう指示したのは、ターン4にストロールのマシンがとまっていたからだった。
しかしノリス、ラッセル、角田、ローソンは、追加のフォーメイションラップを走るものとして誤解して、周回を開始。そのため、レースディレクターは、全マシンが追加のフォーメイションラップを行う必要があると判断し、指示した。
スチュワードは、ノリスとラッセルの行動が、後ろのグリッドにいたドライバーたちの行動を誘発したと判断、ふたりに5000ユーロ(約83万円)と戒告(ドライビング関連)のペナルティを科した。
同様に許可なくグリッドを離れた角田とローソンについては、すぐ前のドライバーがグリッドを離れて周回を開始したことに反応したものであるとスチュワードは判断、規則に違反しているものの、前のドライバーに影響されたことから、違反の主な責任を負うものではないとして、ペナルティを科さないことを決めた。
4人全員がタイムペナルティを受けずに済み、それぞれが自身の決勝順位を維持することができた。ラッセルは4位、ノリスは6位、角田は7位、ローソンは9位で、ポイントを獲得している。
なお、ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)については、最初のスタート中止後、チームがグリッド上でマシンに取り付けられているタイヤの空気圧を調整したことが、技術指令への違反であると判断された。調整後の空気圧に違反はなかった。
スチュワードは、グリッドへのアクセスが悪いこのサーキットで短い時間しか与えられていなかったことを考慮し、メルセデスが技術指令で規定された手順に従うことは極めて困難だったと認め、ペナルティは1台につき5000ユーロ(約83万円)の罰金にとどめた。