【決勝日コメント】
ハミルトン、マシンの奇妙な挙動でスピン「こんなことは初めて。ショックで打ちのめされている」アップデートを調査へ
2024年F1アメリカGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンはコースオフによりリタイア、ジョージ・ラッセルは6位という結果だった。
ラッセルは予選でのクラッシュにより、マシンの修理に時間がかかり、パルクフェルメ規則に違反、ピットレーンからのスタートになった。序盤にバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)をターン12でコース外に押し出したと判断されて5秒ペナルティの裁定を受けつつ、ハードタイヤで他のドライバーたちより長くファーストスティントを走り、6番手に浮上。40周目にミディアムに交換し、新しいタイヤでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とセルジオ・ペレス(レッドブル)をオーバーテイクして、6位でフィニッシュした。
ハミルトンは17番グリッドからハードタイヤでスタート。1周目に12番手まで順位を上げ、ポイント獲得が期待されたが、2周目にターン19でスピンしてコースオフ、コースに復帰することができず、そのままリタイアとなった。
トト・ウォルフ代表は「ルイスは全くプッシュしていなかったにもかかわらず、突風と前のマシンからのダーティエアにより、コントロールを失った」と語った。
「マシンがなぜそのような反応を見せたのか理解するために、昨日ジョージに起きたこととともに振り返る必要がある。ルイス・ハミルトンはレースの2周目にマシンのコントロールを失うようなドライバーではないので、そこに理解すべき何かがある」
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=リタイア(1周/56周)
17番グリッド/タイヤ:ハード
最高のスタートが決まって、ポジティブなレースになりそうだと思っていた。アクシデントが起きた時点では、まだタイヤを温めようとしているところで、まったく訳が分からないままコントロールを失った。決してプッシュしすぎていたわけではないのに、ターン19の進入でクルマがわずかに跳ね、リヤエンドが流れて、あのような結末になったんだ。ちょうど僕がターンインした頃に観測された、最大時速40キロの突風が影響した可能性もある。昨日はジョージが似たようなスピンを喫している。この2つの出来事について全力で分析して、何か学べることがないか確かめるつもりだ。
今回のアップデートを持ち込むために、一生懸命努力してくれたチームのみんなに申し訳ない。だが、ここからは前進し、上向いていくはずだ。来週末のメキシコで、このクルマをもっといいポジションにつけることができればと思っている。そのためにチーム一丸となって、これ以上はないというくらいのハードワークを続けるよ。
(レース後にメディアに対して語り)全くプッシュしていなかった。ただタイヤを温めようとしながら走っていただけだ。そしたらバウンシングが起き始めた。左フロントにバウンシングが起こり、リヤエンドが不安定になった。昨日のジョージと同じだ。
FP1でも同じことがあり、ターン3でスピンした。とても珍しいことだ。このサーキットで長年走っているが、ターン3でスピンしたことは今までなかった。
ジョージは昨日同じ問題を抱えていた。彼は旧型仕様のマシンに戻って調子が良さそうだから、新しいアップグレードに何かあるのかもしれない。
こんなことは初めてだ。あんなバウンシングが起きたことに本当に驚いた。もちろん、ショックで打ちのめされている。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=6位(56周/56周)
ピットレーンスタート/タイヤ:ハード→ミディアム
僕としては、今日の結果に満足している。スタート前の段階では、レースでどんなチャンスが訪れるか分からなかった。でも、ピットレーンから6位に入り、レッドブルの1台の前でフィニッシュしたのだから、難しい状況から最善の結果を得たと言えるだろう。全体を通じて、そして特にハードコンパウンドタイヤではいいペースを保てた。最初のスティントを延ばすことができたし、その結果として、終盤によりフレッシュなタイヤでアタックできた。
これから何日かの間、この週末全体の分析に全力で取り組むつもりだ。まだ時々クルマがトリッキーになることがある。今日僕らが目にしたように、ルイスがグラベルでレースを終えるなんて、そうそうあることではない。スイートスポットを見つけた時には、力強いパフォーマンスを発揮できるが、それを一貫して維持するのが難しいんだ。今週末、このクルマにはポディウムを争うポテンシャルがあったと思う。ただ、もっとオペレーティングウインドウを広げないといけない。次のメキシコでの週末では、良かった時の状態を取り戻すことを目指すよ。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています