2024.09.28

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:価値が高まったF1リザーブドライバーのポジション


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。

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 バルテリ・ボッタスが2025年もザウバーに残る新契約をすでに締結したとの複数の報道があったが、土曜日のシンガポールでフィンランド人ドライバーはそれらを“フェイクニュース”と呼んだ。スイスのチームに近い情報筋が我々に保証したように、厳密に言えばベテランドライバーは真実を語っていた。しかし、ボッタスとマッティア・ビノットの間の交渉は成功裏に終了し、現在は双方の法定代理人による通常の抑制と均衡の作業が行われているのも事実だ。

 ザウバーとまだ連絡を取っていた他のドライバーは全員、2025年のシートにはボッタスが残るとすでに知らされている。したがって、彼らは現在F1とのつながりを維持しようとして市場に出ている。今では2025年のレースシートがすべて埋まったためだ。(アンドレア・キミ・)アントネッリ、(オリバー・)ベアマン、(ジャック・)ドゥーハン、(リアム・)ローソン、(フランコ・)コラピントといったリザーブドライバーたちが最近昇格したことを考えると、そうしたポジションに就くことは以前よりもはるかに魅力的になっている。
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 そのため、F2で好成績を収めている(ガブリエル・)ボルトレート、(ゼイン・)マローニ、(ポール・)アーロン、(ジャック・)クロフォード、(ビクター・)マーティンスといったドライバーたちは、ベアマンとコラピントが今年そうであったように、いつでもレースシートに飛び乗れるよう準備を万全にすべく、少なくとも2回のFP1出場、ピレリのタイヤ開発での役割、そして十分なTPC(test of previous cars/過去のマシンを使ったテスト)走行が保証されるシートを探している。

将来のレース候補地
(c)XPB Images
 アジアの中心となる開催地であることから、シンガポールGPではグランプリの主催者候補として新たに3組の代表団がマリーナ・ベイサーキットに姿を現した。F1は、将来のレース主催者と現在進行中の交渉を全面的にコントロールすることを要求しているため、代表団はいずれもテレビカメラやメディアからできるだけ距離を置いていた。

 最も人数の多い代表団はタイだったが、国民の反対と、全権を有する国王の支持がないため、同国の首都の一等地でグランプリを開催する計画の実現は困難になっている。国王は、宮殿からわずか1kmのところに騒々しいクルマや交通渋滞があるのを好まないようだ。

 現在、バンコク郊外の新たな場所が模索されているが、新政府による決定はまだ下されていない。シンガポールにいたのはタイ人だけではなかった。韓国の政府関係者の代表団も同様に視察に訪れており、施設やアクセスなどを注意深く見学しながら、自国での計画を練っていた。いっそう控えめだったのは、グランプリを初めて訪れたルワンダ政府の高官の代表団だった。彼らの今回の目的は、ステファノ・ドメニカリと彼のスタッフ数名と会談し、グランプリ契約を締結するための主な要件についてまず理解することだった。

F1とブラジルTV局の交渉
(c)XPB Images
 F1はブラジルの大手テレビ局『Globo』社との新たな契約を検討していたが、ブラジルで週末の全番組を『F1 TV』で放送することや、現地の解説をブラジルのジャーナリストが行うといったことなどに関して、双方とも互いの要求を受け入れる気がなく、交渉は大きな障害に直面しているようだ。

 すでに報道されているように、F1はブラジルの『Band TV』との現在の契約を合意より1年早く終了したいと考えている。これは、同社が契約上の義務を履行できず、支払いが大幅に遅れているためで、『TV Globo』の復帰交渉が早くも今年5月に始まっている。

 現在、『Band TV』はすべてのレースにクルーを派遣しているが、F1は放送局がグランプリの3分の2にのみ自社のクルーを派遣することと、予選とレースのみを放送することを受け入れる用意がある。現時点でブラジルのファンは、FIA F2とF3のイベントを含む週末のプログラム全体を視聴できる。

 しかし、ブラジルでの『F1 TV』の放送を停止するよう求める『TV Globo』の要求は、F1がきっぱりと拒絶した。テレビ放映権の所有者は、まもなくこの巨大な国で500万人の加入者を獲得し、年間2億ドル(約280億円)強の収入を確保できると考えているため、その立場は理解できる。しかし『TV Globo』は、そのようなサービスが利用可能だとしても、自社の視聴者数では魅力的な提案にはならないと主張している。現状両者はそれぞれの立場に固執しており、今後数週間で進展が見られる兆しはない。

(Translation: AKARAG)

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