【決勝日コメント】
ピアストリ、チームの指示に背いたオーバーテイクで優勝「待ちの姿勢では勝てなかった」選手権首位奪取に大きく貢献
2024年F1アゼルバイジャンGP決勝で、マクラーレンのオスカー・ピアストリは優勝、ランド・ノリスは4位を獲得した。
2番グリッドのピアストリは、序盤シャルル・ルクレール(フェラーリ)の後ろを走り続けた後、セカンドスティント序盤の20周目にオーバーテイクを決めて首位に。その後、ルクレールに対する難しいディフェンスを強いられたピアストリだが、ミスを犯さず、自身2勝目を挙げた。
ノリスは、15番グリッドから、ハードタイヤでスタート。ファーストスティントを長く取り、5番手まで上がり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の前を走って抑えつけた。37周目にミディアムタイヤに交換し、フェルスタッペンの後ろでコースに復帰。ギャップは当初約15秒だったが、ノリスはフレッシュタイヤを生かして急速に差を縮め、49周目にフェルスタッペンを抜くことに成功。その後、前を走っていたセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が事故でリタイアしたため、ノリスは4番手に順位を上げてフィニッシュした。
マクラーレンは今回、38ポイントを獲得、それによりコンストラクターズ選手権でレッドブルを抜いてトップに立ち、さらに20ポイントのリードも築いた。
アンドレア・ステラ代表は「今日のリザルトにより、我々はコンストラクターズ選手権においてトップに浮上した。我々の旅路における重要な節目だ」とコメントした。
「しかしチームは、今後の課題に気持ちを集中させている。このポジティブな瞬間をうまく活用し、今後のレースに向けてよりいっそう努力を注いでいくつもりだ」
■オスカー・ピアストリ(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)
決勝=1位(51周/51周)
2番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード
1位だ! 2回目のグランプリ優勝を達成できて、とてもうれしい。僕のキャリアのなかで、最高の勝利だよ。今日の自分たちの仕事を誇りに思う。
スタートでトップに立とうとしたけれど、DRSから外れると、ペースが足りなかった。ピットストップの後、また接近できて、グリップが良いという感触も持った。スティントの序盤でオーバーテイクしなければ、絶対に前に出ることはできないと分かっていたから、やるしかなかった。それで思い切って行ったら、なんとかうまくいったんだ。
その後の35周は必死に走り続けたよ。大変な仕事だったけれど、これは僕にとって最高のレースのひとつとして自分のなかに残ると思う。
僕たちは今、ワールドチャンピオンシップをリードしている。マクラーレンの全員が懸命に努力した結果であり、僕が加入してからの18カ月の間に目撃した大きな挽回は、彼らの功績だ。
マシンが改善したのは確かだし、チームの皆は僕の改善のためにも手を貸してくれた。12カ月前だったら、僕にはこんな結果を出すことは絶対にできなかったと思う。今後何が起こるのか、楽しみだよ。
(レース後の記者会見で語り)スティントの最初にリードを奪ったことが、勝因だった。レースエンジニアには申し訳なかった。最初のスティントでトップに立とうとして、タイヤを完全にだめにしてしまった。だから、エンジニアは無線で「もうああいうことをしないようにしよう」と言ったんだ。でも僕は次のラップでそれを完全に無視して、(ルクレールの)イン側に飛び込んだ。
あの時、後ろにとどまって、シャルルのタイヤがだめになるのを待つなんてことは、絶対にうまくいかないと思った。それでは2位どまりだ、とね。
ファーストスティントでも同じようなチャンスがあったけれど、それを十分に生かせなかった。その時、「ここで何か違うことをしていたら、チャンスがあったのかも」と思ったんだ。だから、ピットストップ後に似たようなチャンスが訪れた時に、それをつかんだ。そうしなければ、今僕はここにいなかっただろう。
あれはハイリスクで、ハイコミットメントなアクションだった。でも優勝するためには必要だった。2位狙いでいくという気持ちは僕にはなかったからね。
■ランド・ノリス(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)
決勝=4位(51周/51周)
15番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム
ファステストラップ:1分45秒255(42周目)
チームにとって素晴らしい結果だ。ふたりとも素晴らしいレースをしたと思う。まず、2勝目を挙げたオスカーを祝福したい。彼はそれに値する仕事をした。
僕も素晴らしいレースをしたと思う。ファステストラップも記録して、大量にポイントを稼ぐことができたから、すごくハッピーだよ。今日、チームとして最多ポイントを獲得したのは僕たちだから、そのことに満足していいと思う。
今日は可能な精一杯の仕事をした。そしてコンストラクターズ選手権で首位に立つことができた。みんな、本当に良い仕事をしたね。