【F1第16戦無線レビュー(1)】新エンジニアとのコンビ初戦、角田はライバルとの接触でリタイア「僕に突っ込んできた」
2024年F1第16戦イタリアGP。2戦連続のポールポジションからスタートしたランド・ノリスは、今回こそスタートに成功したように見えたが、隣のグリッドからスタートした僚友オスカー・ピアストリにその座を奪われてしまった。さらに後方では接触が続き、角田裕毅はダメージを負っていたニコ・ヒュルケンベルグとの接触でリタイアを強いられた。イタリアGP前半を無線とともに振り返る。
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超高速バトルの繰り広げられるイタリアGPは、接触事故がつきものだ。それは今年も例外ではなかった。スタート直後の第1シケインで、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がフロントウイングに大きなダメージを負ってしまう。
1周目
ラッセル:(オスカー・)ピアストリがブレーキングで、僕の前を横切って行った。フロントウイングのダメージをチェックしてくれ。
その背後ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がすぐ前にいる5番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)の動きに不満を漏らした。
フェルスタッペン:ルイスは1車身残さなかった。僕は同じことをやって、ペナルティを取られたのに。
ハミルトンに仕掛けた際に、閉められたのだろうか。フェルスタッペンのいう「ペナルティ」とは、オーストリアGPでのことか。ランド・ノリス(マクラーレン)と接触事故を起こし、10秒ペナルティを科されている。
さらにその後方では、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がダニエル・リカルド(RB)に押し出されたと文句を言っていた。
ヒュルケンベルグ:リカルドが僕をxxに押し込みやがった。ターン8のグラベルにね。
この一件で、リカルドには5秒のタイムペナルティが科された。
3周目
セルジオ・ペレス:ジョージのダメージがすごい。あれは危険だよ。
ラッセルのすぐ後ろを走るペレスは、メルセデスマシンが走れる状態ではないとリポート。さっさとブラック&オレンジ旗を出せというアピールだったのだろう。それでもラッセルはペレスを抑えながら、11周目まで走り続けた。
4周目の第1シケインで、ヒュルケンベルグと角田裕毅(RB)の接触事故が起きた。
角田:あいつ、僕に突っ込んできた。ひどいダメージだ。
車体の損傷はひどく、角田は最後尾近くまで順位を落としていった。マッティア・スピニに代わって、この週末から担当エンジニアになったエルネスト・デジデリオがリタイアを指示した。
7周目
デジデリオ:マシンをクールダウンさせて、ボックスしろ。リタイアだ。
トム・スタラード(→オスカー・ピアストリ):どのクルマにもグレーニングがない。少なくともプランBのターゲットラップまでは行きたいね。
8周目
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):今のペースで行け。ミディアムの連中にタイヤを使わせるんだ。
上位勢でハードタイヤスタートは、レッドブルの2台のみ。ミディアムタイヤを履くライバルたちをプッシュして、タイヤを早く垂れさせろという指示だった。しかし上のピアストリの無線でも明らかなように、ミディアム勢も予想以上にタレが少ないようだ。
11周目
スタラード:プランAとB、どっちがいい?
ピアストリ:絶対プランAだよ。
プランAが1ストップと考えていいだろう。この時点ではまだ、ピアストリは1ストップを遂行するつもりでいた。
14周目、2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を抜きあぐねていたノリスに、ピットインの指示が出た。
ウィル・ジョゼフ:ランド、ボックスしてルクレールをオーバーテイクだ。
ノリス:了解。
ノリスのピットインに反応して、ルクレールも次の周に入る。しかしノリスがアンダーカットに成功した。この対応に、ルクレールは怒り爆発だ。
ルクレール:どうしてピットインしたんだ? アンダーカットされるとわかってたのに。
上位のミディアム勢で最後まで引っ張っていたカルロス・サインツ(フェラーリ)が19周目にピットイン。フェルスタッペンが暫定トップに立った。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ペースを上げていいぞ。
22周目、フェルスタッペンがピットイン。ところが、再びハードに履き替えた。
フェルスタッペン:このスティント、どうするの?
ランビアーゼ:行けるところまで行く。
ミディアム勢にタイヤを使わせることを目論んでいたフェルスタッペン陣営だったが、ハードにしては早いタイミングのピットインをせざるを得なかった(ピレリは27〜33周を想定)。しかも再びハードに履き替えたことで、2回ストップが確定。自ら戦略の自由性を奪ってしまうことになった。
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F1第16戦無線レビュー(2)に続く