2024.07.13

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:ヘルムート・マルコ、リアム・ローソン起用を検討するザウバーに牽制


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 今後2シーズンにわたって、ニコ・ヒュルケンベルグのチームメイトにリアム・ローソンを起用しようという、ザウバーグループCEOアンドレアス・ザイドルが抱いていたかもしれない希望を、ヘルムート・マルコはすでに打ち砕いている。

 ザイドルは、アウディ初のF1プロジェクトに参加するよう交渉したベテランドライバーをひとりも説得できなかった。キャリアを進めるために他チームに行くことを決めているカルロス・サインツ、ピエール・ガスリー、エステバン・オコン、バルテリ・ボッタスのいずれのドライバーについてもだ。現在ザイドルは、彼の体制に適合する可能性のある有望な若手ドライバーを探している。
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 しかし、ローソンはレッドブルのジュニアドライバーのままだ。ローソンに近い情報筋によると、レッドブルは9月15日までにローソンに来年のF1のレースシートを確保しなければならず、そうできなければローソンはフリーエージェントになるという。

 これは標準的なレッドブルのジュニアドライバー契約だが、唯一興味深い点は、レッドブルのオプションが通常より2カ月早く失効することだ。そのため、ローソンは約2カ月のうちに、RBに昇格するか、別のF1チームに自由に加入できるようになるかを知ることになる。

 しかし、マルコはシルバーストンで次のように語った。「リアムはどこにも行かない。我々は彼をクルマに乗せたいからだ。だからアウディは彼と話をする必要はない。我々は彼を留めるつもりだからだ」

 だがオーストリアでは、ローソンの代理人を務めるマーク・ウエーバーが、ザウバーのモーターホームでアンドレアス・ザイドルと長時間話し合いをしていたため、レッドブルが行動を起こすまで両者の交渉は続く可能性が高い。

錯綜するサインツのうわさ
(c)XPB Images
 シルバーストンでは、メルセデスが2025年のルイス・ハミルトンの後任としてカルロス・サインツに1年契約をオファーしており、サインツがアルピーヌ、アウディ、ウイリアムズのオファーへの返答を遅らせていたのはそれが主な理由だったといううわさが広まっていた。しかし、イギリスGP中にサインツに近い情報筋が語ったところによると、それは事実ではないということだ。

 その話は、現場のメルセデスのスタッフでさえ、来年ジョージ・ラッセルのチームメイトになるのはイタリアの新星アンドレア・キミ・アントネッリになるだろうとほぼ確実に予測していることとも一致する。ただし、マックス・フェルスタッペンがクリスチャン・ホーナーと完全に対立してレッドブルを去るという、衝撃の事態にならない場合に限る。

 最も鋭い目を持つ観察筋は、日曜日のルイス・ハミルトンのセンセーショナルな勝利を祝うメルセデスのチーム写真にアントネッリが写っていることに気づいたが、この機会のためにチームのモーターホームに入って、若いイタリア人を呼んだのはトト・ウォルフであったことは公表されていない。

 ウォルフは若いアントネッリと非常に親しく、彼の父親とも毎日連絡を取り合っており、アントネッリをチームの組織に組み込むために全力を尽くしている。そして、アントネッリがシルバーストンでのF2スプリントレースで、雨天のなか並外れたパフォーマンスを発揮して優勝したことで、ウォルフはこのイタリアの新星が2025年にF1に昇格する準備ができているという自身の信念を再確認した。

往年の力強さを失ったブリアトーレ
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 アルピーヌのシャシー部門のホームレースであるイギリスGPをフラビオ・ブリアトーレが欠席していたことが注目されたが、これにより彼がフランスのチームの指揮官にはならないことが裏付けられた。彼は1990年末から2009年夏までは断続的にチーム代表を務めていた。

 ブリアトーレは、チームの日々の運営を管理するためにエンストンで時間を費やすつもりはなく、大きな契約を結ぶことが自分の役割だと考えている。2026年の初めからチームがメルセデスのエンジンを使用することを保証し、その前にカルロス・サインツとの今後数年間の契約を確保することに力を注いでいる。

 しかし、ブリアトーレがもはや週7日間、長時間にわたって働くことができなくなった理由は他にもある。それは彼の健康状態が非常に不安定で、定期的な治療と検査を受ける必要があるという事実と関係している。ブリアトーレのエネルギーレベルは、彼の年代にしては大幅に低い。そのため彼がグランプリに来場するのは、レッドブルリンクでそうだったように、出席すべき会議があるときか、メディアを通じて特別なメッセージを伝えるときだけだ。

(Translation: AKARAG)

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