2024.06.30

F1 Topic:オーストリアGPスプリントの1回目スタートが中止になった理由「安全を考慮してカメラマンを移動」


2024年F1第11戦オーストリアGP 土曜日スプリントでは1回目のスタートが中止となった
Other Photo

 2024年F1第11戦オーストリアGPのスプリントは、全車がグリッドに着いて隊列後方でグリーンフラッグが振られたものの、レットシグナルが点灯せず、1回目のスタートが中止された。

 その理由をFIA国際自動車連盟に確認したところ、「ターン1アウト側のバリアの後ろに多くのカメラマンがいたため、安全上のリスクを考慮して、カメラマンを別の場所に移動させるためだった」と説明した。

 ターン1のアウト側は、レッドブルリンクの人気撮影スポット。ホームストレートの正面はランオフエリアの向こう側にあるため、1コーナーまでの距離が遠いが、ターン1のアウト側はガードレールを1枚隔てているだけで、フェンスもなく、コース上を走るマシンを間近で撮影できるからだ。

 筆者も金曜日のフリー走行では、その場所で撮影していた。私以外にも多くのカメラマンがいたように、この場所は撮影禁止場所(レッドゾーン)ではない。

セルジオ・ペレス(レッドブル)&カルロス・サインツ(フェラーリ)
2024年F1第11戦オーストリアGP 1コーナーに向けて並走で進入してくるセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)

 ただし、私は以前から危険だとも感じていたし、多くのカメラマンもそのことは認識していた。

 フェンスがないため、もしも2台が並んで1コーナーに進入し、接触事故が発生してマシンが宙を舞った場合、カメラマンを直撃する可能性が高いからだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル)&カルロス・サインツ(フェラーリ)
2024年F1第11戦オーストリアGP 1コーナー進入で並走するセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)

 私も2年前のオーストリアGPのスタートで肝を冷やしたことがある。ピエール・ガスリー(当時アルファタウリ)が1コーナーで他車と接触事故を起こしたからだ。

 幸運にもガスリーのマシンは宙を舞うことなく、スピンしただけで怪我人は出なかった。

2022年F1オーストリアGPの決勝スタート
2022年F1オーストリアGPの決勝スタート
他車と接触してスピンするピエール・ガスリー(アルファタウリ)
2022年F1オーストリアGP 他車と接触して1コーナーでスピンするピエール・ガスリー(アルファタウリ)

 今年のモナコGPのスタートでは、2コーナーの“ボー・リバージュ”でセルジオ・ペレス(レッドブル)とケビン・マグヌッセン(ハース)が接触事故を起こし、飛び散った破片がフェンスを通り抜けてカメラマンに直撃していた。幸い、カメラマンは大事に至らなかったが、FIAが神経を尖らせるのも当然かもしれない。

 なおFIAによると、日曜日のオーストリアGP決勝レースでは、1コーナーのアウト側は“レッドゾーン”となり、フォーメーションラップの5分前から2周目までは立ち入り禁止区間とされた。

レッドブルリンク1コーナーアウト側のレッドゾーン
2024年F1第11戦オーストリアGPの決勝では、フォーメーションラップ5分前から2周目まで立ち入り禁止の“レッドゾーン”に指定された1コーナーアウト側
2024年F1第11戦オーストリアGP
2024年F1第11戦オーストリアGP スプリントはカメラマンたちの移動完了後、2度目の再スタートが切られた



(Masahiro Owari)

最新ニュース一覧

2024-07-02更新
2024-07-01更新
2024-06-30更新

最新PHOTO一覧






|TOP|NEWS|