2023.06.01

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:改善が進まないモンツァ・サーキットに最終通告


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 F1におけるモンツァの見通しはかなり暗くなり始めている。イタリア自動車クラブ(ACI)会長のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニとステファノ・ドメニカリの話し合いが行われたが、歴史あるこのイタリアのサーキットの立場が、現在のカレンダーのなかでどれだけ不安定なものなのかが明らかになった。
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 ドメニカリはダミアーニに対し、F1はモンツァをカレンダーに永久的に残しておきたい歴史的会場のひとつと見なしていることを明確にしたが、数年前に二者間で合意された改善点について未だに何も対応が始められていないという事実が、モンツァを不利な状況に追い込んでいる。何年もの間、F1はチームのためにより良く広いガレージ、パドック内に入場するための広いアクセストンネル、また、アクセス計画と駐車場の改善を求めてきたが、モンツァではどれひとつ対応が行われていない。サーキット管理者はモンツァ公園の管理者と地元自治体と協業する必要があることから物事が複雑なためだ。

 それにACIと、地元の情報に明るいACIミラノ拠点の間の複雑な政治的状況の舵取りも必要だ。イタリアの情報筋によると、F1は、今年の初夏に建設作業が始まらない場合は、イタリアGPプロモーターと新たな契約を締結しないとダミアーニにはっきり言い渡したということだ。そのため、ACIとFIAのベテランには大きなプレッシャーがかかっている。

ホーナーの尊敬する元F1ドライバー
(c)XPB Images
 モナコのパドックに戻った元フェラーリのドライバーであるイワン・カペリは大人気だった。カペリは10年以上イタリア国営放送の『RAI』で主任解説者を務めたが、今回は『Sky Italia』のためにグランプリ解説を行っていた。カペリがモナコを訪れたのは、エイドリアン・ニューウェイにインタビューするためでもあった。

 ニューウェイは1987年から1990年にかけて、カペリが名を上げたマーチとレイトンハウスでマシンをデザインしており、ふたりはそれ以来親しい友人関係にある。しかし友好的なカペリがその週末に持った最も意外な交流は、レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーとのものだった。

 ホーナーはカペリに挨拶すると、「私がモータースポーツに夢中になったのは、あなたがドライブしていたレイトンハウスのあの美しいマシンのおかげです。そしてあなたは私の子どもの頃のヒーローでした。あなたは私が大好きなマシンで素晴らしいレースをしていたからです!」と伝えた。

 そして、次はカペリがホーナーを驚かせる番だった。カペリはホーナーに「実はあなたの写真が家にある。当時は小さな子どもで、シルバーストンで私のマシンのコクピットに座っている写真だ。あなたの父上とあなたは、我々がそこで何度も行っていたテストのひとつにゲストとして来ていた。休憩時間に、私は自分でその写真を撮ったんだ!」ホーナーの表情から彼がどれだけ驚いているかわかり、傍らで見ていたニューウェイは、完全に予想外だった交流を面白がっていた。

ベッテルが久しぶりに公の場に

 セバスチャン・ベッテルは父親のノルベルトとともに突然モナコGPを訪れた。金曜日の午前中早い時間に予告なしに姿を現したのだ。ベッテルは知り合い全員に挨拶していたが、やり取りをした数人の記者と公に話すことは断った。それよりもアストンマーティンとレッドブルのホスピタリティへ行き、現役時代に仕事をした人々と長い時間を過ごすことを選んだ。

 ベッテルはフェラーリにも短時間立ち寄り、元チームメイトのシャルル・ルクレールから温かく迎えられた。4度の世界チャンピオンであるベッテルは、最後にメルセデスへ向かい、かつてのライバルであり敵でもあったルイス・ハミルトンと挨拶した。ハミルトンは後に次のように認めている。「僕たちは連絡を取り合っているよ。なぜなら僕たちは、地球の未来に関する重要な問題について同じ考えを持っているからね。でも公の場で会うのはいつも素晴らしいものだ」


(Translation: AKARAG)

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