2023.05.30
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2026年からの新コンコルド協定における各勢力の思惑
(c)XPB Images
コンコルド協定の期限は2025年末だが、F1の商業権に関係する全員が、新協定をできるだけ早く締結したいという望みを持っている。リバティ・メディアのグレッグ・マフェイは、商業権保有者であるリバティはチームとFIAとの交渉を加速して関係者全員と新協定を締結することを望んでいると、非常に明確にしている。そして最近ではトト・ウォルフ、クリスチャン・ホーナー、ザク・ブラウンといったチーム代表らが、グループ全体ができるだけ早く結集し、新協定締結にこぎつけるよう促している。新協定は2026年初めから2030年終わりまでのF1の商業面を規定することになる。
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しかし次のコンコルド協定に向けて、交渉に参加する三者が完全に異なる目標を掲げていることは誰にとっても驚くようなことではなく、合意点を見出すのは彼ら全員が考えているほど簡単にはいかないことが示されている。2021年が始まって以来のF1の利益の大幅な増加によって、関係者全員がより大きな利益を強く求めるようになっている。各チームの価値は2020年初頭に比べて現在では2倍から3倍高くなっていることから、おそらく交渉はかつてないほどに厳しいものになるだろう。
リバティ・メディアの観点から見ると、F1の収益がリバティの買収以来大きく増加したのは彼らの仕事のおかげだ。したがって彼らは収益のより大きな取り分と、チームがまずまずの収入を得ているマーチャンダイズのような分野の完全なコントロール、また、F1カレンダーの完全な決定権を求めている。なお、1シーズンあたりのグランプリ数の増加やトリプルヘッダーの回数に上限を設定することについて、チームに拒否権を与えることはしないという。
一方各チームは、前回のコンコルド協定の専門的解釈に足を取られた。前回の協定では、利益が一定の額を超えるとチームが年間に得られる金額が制限されるので、リバティ・メディアの取り分が増加した。各チームはF1が上げた収益額にかかわらず、利益の62.5%の取り分を維持したいと考えているので、彼らとリバティの意図は真っ向から衝突している。
最後に、FIAははるかに大きな利益の取り分を望んでいる。(モハメド・)ビン・スライエムは、約20年前にマックス・モズレーがバーニー・エクレストンと結び、ジャン・トッドが再交渉をしようとしなかった散々な内容の契約に非常に不満を持っているのだ。レースの増加と規制の厳格化により、FIAが世界中で多くの人材を雇用し、移動させることを余儀なくされていることを考慮し、FIAのために会長は適切な補償を求めている。結局のところ三者全員がより大きな利益配分を望んでいるので、当然ながら交渉を成功させるのは非常に困難なことになるだろう。
(Grandprix.com/Translation: AKARAG)
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