2015.12.31

英誌「2015年トップ10ドライバー」有望株も上位に


5.ストフェル・バンドーン
GP2チャンピオン

 バンドーンは今年、彼をサポートするマクラーレンから、タイトル獲得はもちろんのこと、それ以上のものを求められていた。マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、彼が圧倒的強さでシリーズを制しタイトルを獲得しなければ、F1昇格のチャンスは与えられないと述べていた。

 バンドーンは過去のGP2で例を見ないほどの圧勝でその要求に応えてみせた。シーズン残り4戦の段階でタイトルを確定、最終的に今季7勝を挙げ、キャリア11勝という、GP2シリーズにおける最多勝利数を達成した。今季獲得点数は2位のアレクサンダー・ロッシの2倍近くに達する。

 今年のバンドーンには弱点は見られなかった。予選でも決勝でも誰より強く、タイヤマネジメントも素晴らしく、ミスもなかった。

 マクラーレンの要求に応えて結果を出したバンドーンだが、来季のF1レースシートは確保できず、マクラーレンのリザーブドライバーを務めることが決定している。その傍らでスーパーフォーミュラに参戦する可能性もあると考えられている。

4.ニコ・ロズベルグ
F1ランキング2位

 シーズンの大半でチームメイトのルイス・ハミルトンには遠くおよばない“2番目”扱いされてきたが、終盤に形勢を逆転した。彼自身がとてつもない努力をした結果である。

 ハミルトンを凌ぐパフォーマンスを発揮し始めたころには、すでにタイトルには手が届かない状況であり、終盤の6連続ポールポジションと3連勝は彼のプライドを守ることにしか役立たなかったかもしれない。それでも見事な仕事をしたのは確かであり、ハミルトンに対して「甘くみるな」という警告を発することにも成功したはずだ。


3.セバスチャン・オジェ
WRCチャンピオン

 8勝を挙げて3度目のタイトルを獲得した。しかしオジェは満足してはいなかったかもしれない。今年、彼はタイトル獲得だけを目指していたのではない。自身のアイドル、アイルトン・セナのように、ミスなく完璧なシーズンを送ることが目標だったのだ。だからこそ、スペインの最終ステージでクラッシュした後、彼は失望し腹を立てていた。

 規則により最初の2日はポイントリーダーが最初にスタートし路面の掃除役を務めなければならず、オジェは苦労したが、そのハンデを克服してタイトルをつかんだ。彼を支えるエンジニアは、オジェは「決意が固く、プロフェッショナルで、正確なドライバー。集中力の高さは信じられないほど」と語る。「サービスパークで私ほど楽をさせてもらっている者はいないだろう。彼のフィードバックは信じられる。どうすればクルマが速くなるか、彼はよく分かっているんだ」

2.セバチャン・ベッテル
F1ランキング3位

 フェラーリに移籍した最初のシーズン、ベッテルはたくさんの見せ場を作ったが、中でもシンガポールが一番のハイライトといっていいだろう。今季3勝のうちのひとつをここで挙げたのはもちろんだが、Q3で走ったポールポジションラップは本当に見事だった。2位のダニエル・リカルドより約0.5秒速く、チームメイトのキミ・ライコネンより約0.8秒速かった。あのラップはフェラーリチームをはじめ、見ていたすべての人間に鮮烈な印象を残した。

1.ルイス・ハミルトン
F1チャンピオン

 3度目のタイトルを獲得、史上最も偉大なドライバーのレベルに近づいている。彼が成功を収めているのはいいクルマに乗っているからだと言う人間もいる。確かに彼はこの2年、最も優れたマシンに乗っていた。だがマシンはチャンスを提供するだけであり、最終的に成功へと導くのはドライバーの力だ。

 ハミルトンは常に恐ろしく速く、成熟度も増してきている。以前より整然としたアプローチができるようになり、それにより圧倒的な強さを発揮している。今年の3分の2は手がつけられないほど強く、最初の12戦中11戦でポールポジションを取った。
 以前と異なり精神的にも強くなり、モナコでチームの判断ミスにより勝利を落とした後にも、失望を引きずることなく気持ちを立て直し、次のレースで勝ってみせた。

 30歳の若さで43勝を挙げ、タイトルを3回獲得。今後まだまだ素晴らしい結果を出し続けるだろう。


 英AUTOSPORTが選んだ「2015年トップ50ドライバー」は以下のとおり。

1.ルイス・ハミルトン
F1チャンピオン

2.セバチャン・ベッテル
F1ランキング3位

3.セバスチャン・オジェ
WRCチャンピオン

4.ニコ・ロズベルグ
F1ランキング2位

5.ストフェル・バンドーン
GP2チャンピオン

6.ダニエル・リカルド
F1ランキング8位

7.バルテリ・ボッタス
F1ランキング5位

8.ニック・タンディ
ル・マン24時間優勝、プチ・ル・マン優勝

9.パスカル・ウェーレイン
DTMチャンピオン

10.マックス・フェルスタッペン
F1ランキング12位

11.オリバー・ローランド
フォーミュラ・ルノー3.5チャンピオン

12.スコット・ディクソン
インディカーチャンピオン、デイトナ24時間優勝

13.フェルナンド・アロンソ
F1ランキング17位

14.ジャンマリア・ブルーニ
WECランキング2位

15.グラハム・レイホール
インディカーランキング4位

16.セバスチャン・ブエミ
フォーミュラEランキング2位、WECランキング5位

17.ファン−パブロ・モントーヤ
インディアナポリス500優勝、インディカーランキング2位

18.ロマン・グロージャン
F1ランキング11位

19.アンドレ・ロッテラー
WECランキング2位、スーパーフォーミュラランキング3位

20.ジェイミー・グリーン
DTMランキング2位

21.ルーカス・ディ・グラッシ
フォーミュラEランキング3位、WECランキング4位

22.ニール・ジャニ
WECランキング3位

23.ケビン・ハービック
NASCARスプリントカップランキング2位

24.ティモ・ベルンハルト
WECチャンピオン

25.ニコ・ヒュルケンベルグ
ル・マン24時間優勝、F1ランキング10位

26.ジョーイ・ロガーノ
NASCARスプリントカップランキング6位

27.セルジオ・ペレス
F1ランキング9位

28.中嶋一貴
スーパーフォーミュラランキング2位、WECランキング7位

29.ネルソン・ピケJr.
フォーミュラEチャンピオン

30.フェリペ・マッサ
F1ランキング6位

31.ジョセフ・ニューガーデン
インディカーランキング7位

32.ニッキー・キャッツバーグ
スパ24時間優勝

33.ホセ・マリア・ロペス
WTCCチャンピオン

34.ローレンス・バンスール
ブランパンGTおよびスプリントシリーズ3位、ブランパン耐久シリーズ6位、ニュルブルクリンク24時間優勝

35.ジェンソン・バトン
F1ランキング16位

36.クリス・ミーク
WRCランキング5位

37.アレクサンダー・ロッシ
GP2ランキング2位

38.フェリックス・ローゼンクビスト
F3ヨーロッパチャンピオン、マカオGPウイナー

39.カルロス・サインツJr.
F1ランキング15位

40.ヤリ−マティ・ラトバラ
WRCランキング2位

42.マシュー・バクシビエール
フォーミュラ・ルノー3.5ランキング2位

43.ゴードン・シェドン
BTCCチャンピオン

44.マーク・ウエーバー
WECチャンピオン

45.ニッキー・シーム
アウディ、アストン、ポルシェでさまざまなカテゴリーにおいて活躍

46.ジェイソン・プラト ×ジェイソン・プレイト
BTCCランキング2位

47.サム・バード
WEC LMP2チャンピオン、フォーミュラEランキング5位

48.ダニール・クビアト
F1ランキング7位

49.エステバン・オコン
GP3チャンピオン

50.ブレンドン・ハートレー
WECチャンピオン
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