2015.11.30

F速分析:王者空回りの最終戦。勝てない焦り


 ところで、今回はフォース・インディアのセルジオ・ペレスが予選で素晴らしい速さを見せました。しかし、決勝では5位でフィニッシュしたものの、予選のような速さを見せつける場面は、ほとんどありませんでした。その原因は“デグラデーションの大きさ”です。ペレスはスーパーソフトのみならず、ソフトタイヤのデグラデーションも非常に大きかったことが、データを見ると分かります。スティント序盤こそメルセデスAMGやフェラーリに匹敵するペースだったにも関わらず、その後ずるずるとペースダウン。なんと15周で2秒もペースが下落してしまっています。直近のライバルであったウイリアムズやレッドブルらのペースがあまり芳しくなかったため、5位を確保しましたが、このデグラデーション値では、上位を脅かす存在にはなり得ませんでした。

 一方、予選で判断ミスによりQ1敗退となってしまったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、非常に良いペースで走行。4番手までリカバリーして見せました。多くのマシンとは異なりソフトタイヤでスタート、ピットインのタイミングを変えて単独4番手に立った後はメルセデスAMGの2台とほとんど変わらないペースで走ってみせたのです。しかも、デグラデーションの値も小さい。このペースを見る限り、返す返すも予選の失敗が悔やまれるところです。もし予選を無難にまとめ、上位のポジションからスタートしていれば、メルセデスAMGの2台による優勝争いに絡んでいた可能性すら考えられます。なお、ベッテル同様にソフトタイヤでレースをスタートしたロータスのロマン・グロージャンも、後方スタートにも関わらずポイント圏内でフィニッシュを果たしています。

 2015年シーズンも、昨年に続きメルセデスAMGが圧勝してみせました。この強さはどこまで続くのか? 大きなレギュレーション変更の無い来シーズン、彼らが速さを見せるのは間違いないでしょうが、ライバルたちがどこまで戦闘力を上げてくることができるか? 2016年シーズンに向けた戦いは、もう始まっています。
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2015-11-30更新

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