2025.03.06
【2025年F1マシン分析/レッドブルRB21】不穏な兆候も、失敗作とは言えない。前年型と似た外観に隠された新コンセプト
■新コンセプト導入で、セットアップに試行錯誤
今回のテストで、RB21にはふたつの目立った点が見えた。ひとつ目は、コーナー進入でのアンダーステアと立ち上がりでのオーバーステアだ。少し攻めようとすると、制御が難しくなるRB20の癖が、今も残っているようなのだ(めったにミスをしないフェルスタッペンのスピンがそれを証明している)。
ふたつ目は、レッドブルの3日間での周回数は10チーム中最も少なく、最終日に完全なレースシミュレーションも行わず、微調整作業に1日を費やしたことだ。最終日の最後の2時間には、空気の流れを視覚化するフロービズペイントテストを数回実行した。この段階でフロービズを塗るのは、明らかに良い兆候ではない。
(c)(c)F1i
これについてワシェは、こう説明している。
「RB20とRB21の違いは、RB20とRB19の違いよりも大きいからだ。去年のRB20はRB19との形状の違いは大きかったが、基本コンセプトは同じだった。しかし今年のRB21は、スピードの引き出し方、シャシー特性などが非常に異なっている」
そのために広範囲にわたってセットアップを試行錯誤し、多くの時間がかかったと言いたいようだ。RB21の限界を完全に探る出すには、3日間のテストでは足りなかったようで、エンジニアたちは全てのチェックを終えることはできないまま、バーレーンをあとにした。
レッドブルはテストを順調に進めることができなかった。適切なセットアップを見つけるまでは、RB21の潜在能力を知ることはできない。テスト終了時の状況が素晴らしくなかったことは確かだが、チャンピオン経験チームであるレッドブルを過小評価するべきではないだろう。
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(翻訳・まとめ 柴田久仁夫 / Kunio Shibata)
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