レッドブル&HRC密着:タイヤとブレーキに問題を抱えていたペレス。挽回を果たし10位入賞、チームはフロア改善に取り組む
F1第18戦シンガポールGP土曜日の予選後の国際自動車連盟(FIA)の会見で、社会奉仕活動のペナルティを科したFIAへの抗議からか、多くを語らなかったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。ランド・ノリス(マクラーレン)に次いで2位となった日曜日のレース後も、その態度は変わらなかった。
そこでテクニカルディレクターのピエール・ワシェに今週末の戦いについて尋ねた。
まず金曜日にフェルスタッペンが15番手と出遅れたことについて、ワシェはこう説明した。
「金曜日のフリー走行1回目を終えた段階で我々はストレートスピードがライバルに対して劣っていることがわかったので、フリー走行2回目ではマックスだけリヤウイングをワンランク軽くした。しかし、それだと今度はグリップがあまりにも不足して、まともに走ることができなくなってしまった。それで土曜日に再び2台とも、ハイダウンフォース仕様にした」
これでフェルスタッペンはフリー走行3回目に4番手まで挽回し、予選では2番手を獲得した。
一方、チームメイトのセルジオ・ペレスは初日8番手とトップ10内に着けていたのに対して、2日目は予選でQ3に進出できず、13番手に終わった。その原因について、ペレスは「タイヤとブレーキに問題があった」と語った。
予選後、オランダGPからペレスのレースエンジニアを務めているリチャード・ウッドとパフォーマンスエンジニアのリチャード・クックは急きょ、ブレーキサプライヤーのブレンボの担当者と緊急ミーティングを行っていた。
チームが日曜日のレースでブレーキの交換を行っていないところを見ると、この問題は信頼性などの深刻なものではなく、ブレーキの熱を利用してタイヤ温度を調整する運用的なものだったと考えられる。
日曜日のレースではフェルスタッペンがスタートポジションを守って2位でフィニッシュ。ペレスは3つポジションを上げて10位に入り、2台そろってポイントを獲得した。ただし、ダブル表彰台を獲得したマクラーレンとのコンストラクターズポイントは、さらに広がった。
ワシェは言う。
「我々はいまフロアに問題を抱えている。それを改善しなければならない。いまオースティンに向けて、全力で取り組んでいる」
残り6戦。チャンピオンシップの行方は、アメリカGPで投入されることが予想されるレッドブルのアップデートの出来にかかっている。