フェラーリ代表、リヤウイングの合法性にグレーゾーンはないと主張。マクラーレンが不当な利益を得たと苛立ち
フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、マクラーレンのリヤウイングのデザインをめぐる論争について揺るぎない意見を表明し、その合法性はFIAにとって明確な問題であるべきだったと主張した。
マクラーレンの“ミニDRS”と呼ばれているデザインは、その屈曲特性を明らかにする車載映像がソーシャルメディアに投稿されたことで、精査の対象となった。第17戦アゼルバイジャンGPでのオスカー・ピアストリのマシンの映像では、リヤウイングの上部のパーツが負荷を受けて曲がることでスロットの隙間が広がり、抗力を減らしてトップスピードを上げていることがはっきりと示されていた。
マクラーレンのウイングは、車検で行われた一連の負荷テストに合格し、FIAによって合法とみなされた。しかし、映像とマクラーレンのライバルからの圧力により、FIAの技術担当者は物議を醸しているこの要素を詳しく調べざるを得なくなった。FIAが、パーツが規則に準拠していないと判断した場合は修正を命じる権利を留保すると述べた後、マクラーレンは積極的なアプローチを取り、リヤウイングを微調整して、合法性についてのさらなる議論を回避した。
しかし、バスールはシンガポールで話すなかで、リヤウイングの合法性に関する曖昧さを否定し、苛立ちをあらわにした。
「フロントウイングとリヤウイングに何が起こったのか、ある種の混乱があると思う」と、バスールは金曜日に語った。
「フロントウイングについては、技術指令書の最初の段落で、変形を意図してクルマの一部を設計することはできないと述べられているので、グレーゾーンである可能性があることに全員が同意している。意図を管理することは難しい」
「しかし、リヤウイングの話は完全に異なる。条項には最大たわみについても記載されているからだ。そしてこれは白か黒かだ。グレーでも、ダークグレーでも、ライトグレーでもない。これはまったくの黒だ。私にとってそれは明らかなことだ」
バスールは、マクラーレンが過去のレースでこのウイングデザインを活用していたという事実に明らかに不満を抱いており、ピアストリとランド・ノリスの両名が表彰台を獲得したモンツァのような低ダウンフォースのサーキットでは、ドライバーたちに不当なアドバンテージが与えられていたと主張している。
「我々は全員、このビデオと写真を見た。モンツァの状況を完全に思い出すと、0.02秒差(実際は0.075秒)のなかに5台のマシンが入っていたことに少々苛立ちを感じる。1位や2位から5位または6位になるのが、0.02秒の差だ。バクーでは、10周連続でターン1にサイド・バイ・サイドの状態で到着した。我々が少々フラストレーションを抱えていることは想像できるだろう」
バスールは、フェラーリはバクーで抗議を行うことも検討できたが、必要な証拠を集めるのが困難だったことを認めた。
「可能だったかもしれないが、証拠を集めるのはそれほど簡単なことではない」
「だが正直に言うと、私はこのページをめくって気持ちを切り替えたいと思っている。なぜなら、未来に焦点を当てたいからだ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています