レッドブル&HRC密着:アップデートした『なで肩』カウルを採用。フェルスタッペンは「クルマは1周目から快適」と好感触
F1第19戦アメリカGPはレッドブルのエアロダイナミクス開発にとって、2024年シーズンの大きな転換期になるグランプリとなった。
今年中盤からペースに苦しみ出したレッドブルは、ハンガリーGPでマックス・フェルスタッペンが開幕戦から使用し続けてきた『いかり肩』キャノン・デッキ型のエンジンカウルをやめ、ライバルチームが採用している『なで肩』のカウルを投入してきた。
その後、レッドブルは比較的低速のコースで『なで肩』のカウルを採用し、それ以外はキャノン・デッキ型を使用してきた。
ところが、今回のアメリカGPは低速型のサーキットではないにも関わらず、2台とも『なで肩』のカウルを採用。つまり、レッドブルはRB20のアイデンティティであるキャノン・デッキを完全に捨てたと考えられる。
その『なで肩』のカウルをレッドブルはアメリカGPにアップデート。これに併せてフロアのエッジにも改良を加えてきた。
注目されたフリー走行でセルジオ・ペレスは16番手に終わったものの、フェルスタッペンは3番手で発進。フリー走行を終えたフェルスタッペンのタイヤを見たテクニカルディレクターのピエール・ワシェは珍しくピレリの担当者にサムアップしていた。
スプリント予選でもペレスはSQ2で脱落したものの、フェルスタッペンは常に3番手以内につけ、SQ3ではトップタイムをマークした。
「ポジティブな1日だった。クルマは1周目から快適な状態だった。高速コーナーを攻めることができ、かなり速かったと思う。今年のスプリント予選はミディアムタイヤを2セット履いてからソフトタイヤで走るから、今回も難しかった。ミディアムタイヤでは、複数回アタックできるから、最初のアタックでタイヤの感触を探ることができるが、ソフトタイヤで走るSQ3では1周しかできないので、限界までプッシュすることはできず、少し余裕を持たせておかなければならない。ラップタイムを見ると、いくつかバランスの問題を解決しなければならないが、他のドライバーより上位にいられるのは本当にポジティブだ。でも、周りに速いクルマがたくさんいることは承知しているけど、この結果には満足しているし、間違いなくポジティブだ」
フェルスタッペンが最後にトップチェッカーを受けたのは、前回のスプリント。そのオーストリアGP以来、8戦ぶりにトップチェッカーを受けることができるのか。アメリカGPの土曜日は、レッドブルにとってチャンピオンシップを争ううえで重要な1日となるかもしれない。