FIA、F1新燃料使用義務を開幕まで延期か。チームからの要請を受け、テストでは従来燃料を許可する可能性
FIAが、2026年F1世界選手権開幕まで、完全に持続可能なCO2ニュートラル燃料の義務使用を延期する見通しであることがわかった。チームとパワーユニット(PU)マニュファクチャラーは、3回のプレシーズンテストでは、2025年までと同じE10燃料(植物由来のエタノールを10パーセント混合)を使用することも可能になる見込みだ。
2026年にはF1技術レギュレーションが大幅に変更されるため、シーズン開幕前に3回のテストが実施される。スペイン・バルセロナでは5日間の日程が組まれ、各チームはそのうち3日間まで走行できる。バーレーンでは3日ずつ2回のテストが実施され、合計9日間走行の機会があり、当然のことながら、チームはこの期間に可能な限り走行距離を稼ぐことを目指す。
しかし、テストを前に、新燃料に関する懸念が浮上している。
F1のカーボンニュートラル目標の一環として、2026年シーズン開幕から使用される全燃料は化石由来成分を完全に排除する必要がある。燃料サプライヤー各社の選択は、大きく二手に分かれる。
合成燃料派は、CO2と水素を化学結合させ、エネルギーを生成する。バイオマス派は、植物・動物由来の再生可能有機物から生成するアプローチを取る。
革新的な技術であるため、どの燃料サプライヤーも完全に習熟していると断言できる状況にはない。2025年シーズン中の開発過程では、全マニュファクチャラーがテストベンチで多数のエンジン故障を経験したといわれる。
信頼性への懸念や、複雑な製造プロセス、割高なコストといった問題から、大半のチームがテストでの従来型燃料の使用許可をFIAに要請、これが認められたようだ。

テスト期間中は従来燃料が使えたとしても、開幕戦メルボルンまでに新燃料でデータを収集することは必須だ。各チームは、新シャシーとパワーユニットの性能を把握するために可能な限り多くの周回を重ねる必要性と、新燃料でレースパッケージがどのように機能するかを明確に把握する必要性との間でうまくバランスを取らなければならない。
そのため、1月26日〜30日に非公開で実施されるバルセロナテストでは、従来燃料を使用し、その次にバーレーンで2月11日〜13日に行われるテストから、新燃料での走行に移行するという流れが予想されている。
燃料の効率は新規定導入初期の数年間で決定的なパフォーマンス差を生むと見られており、F1史上かつてないほど、この分野は重要視されている。
