入賞を喜ぶローソン、復帰前は“錆びつき”を感じたと明かす「どれだけ準備をしてもマシンをドライブする準備はできない」
RBのリアム・ローソンは、先週末のF1第19戦アメリカGPで自身の期待を超え、見事にポイントを獲得してF1への復帰を祝った。
レッドブルの姉妹チームにダニエル・リカルドの後任として復帰した22歳のローソンは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での56周のレースで苦しい戦いを強いられ、VCARB 01に施された数々の変更によって複数のグリッドペナルティを科されて、最後尾からのスタートを余儀なくされた。
スプリントフォーマットの週末であったことからフリー走行が限られていたため、ローソンはマシンに慣れる時間をほとんど持てなかった。しかし、ローソンは混乱のスタートを最大限に利用し、オープニングラップで6つもポジションを上げた。その後1ストップ戦略と、レース全体を通して安定したペースを発揮したことにより、ローソンはチームメイトである角田裕毅より5つ上の9位でフィニッシュした。
ローソンはチェッカーフラッグを通過した後、「なんてことだ、どうやってやったんだろう?」とレースエンジニアのピエール・アムランと無線で話し、アムランは「君は速かった。だから我々はできたんだ」と答えた。
その後『Sky Sports F1』に話すなかでローソンは、ポイント獲得に向けた素晴らしい走りの基礎を築いたのは好調なスタートだったと語った。
「スタートが一番重要だった。ファーストラップで4つか5つ順位を上げた」とローソンは説明した。
「正直に言うと、戦略的には最初はゆっくりやろうと思っていたが、すべてがうまくいってチャンスが開けた」
最近のF1での経験が不足しているにもかかわらず、ローソンは適切なタイミングで適切なポジションにつくことができた。そして1ストップ戦略を行い、レースが進むにつれて着実に順位を上げていった。
「その時点から、状態のよいタイヤで有利な位置にいるとわかっていたし、そのことが僕たちの力になった」
「今週末のハースはとても強かったと思う。トップ10からスタートできていたら、レースで彼らに勝つことができたかどうかわからない」
「スタートしたポジションを考えると、ポイント圏内でフィニッシュできたのは本当にクールだ」
レースコンディションでは長い間F1マシンから遠ざかっており、「さびつき」があったことをローソン自身が認めていることを考慮すると、彼の結果はいっそう注目に値するものだった。
「確かにさびついていると感じた」とローソンは認めた。
「どれだけトレーニングや準備をしても、これらのマシンをドライブする準備はできない」
「正直なところ、この準備のために過去12カ月の間、これまで以上に肉体的に努力してきたが、テストも非常に限られていた」
予選に向けてフリー走行セッションが1回しかないため、ローソンはすぐにスピードを上げるのが難しかったことも認めた。
「難しかった。金曜日の戦いでは、フリー走行を1回行って予選に入った。自分が望むようにマシンをコーナーに進めるときに、完全な自信が持てないというのは、決していい気分ではない」
「大変だったが、週末を最後まで気持ちよく乗り切りたかったし、そうすることができたと思う」
結局のところ、オースティンでのローソンのレースは、素晴らしいパフォーマンスが示されただけでなく、チャンスが訪れたときに彼がそれをつかむ能力を持っていることの証にもなった。逆境と準備不足にもかかわらず、彼はふたたび自分の才能がF1グリッドに名を連ねるに値することを証明した。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています