2024.12.04

【F1第23戦無線レビュー(1)】最高速が伸びず「もう2年もストレートで同じ問題が起きている」とアロンソ


2024年F1第23戦カタールGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
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 2024年F1第23戦カタールGP。スタート直後に複数台が絡む事故が発生し、いきなりセーフティカーが出動する事態に。角田裕毅はスタートで一気にトップ10圏内まで順位を上げたが、その後はロングランのペースに悩んでいた。カタールGP前半を無線とともに振り返る。

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 前戦ラスベガスGPは3番手からスタートしながら、悔しいリタイアに終わったピエール・ガスリー(アルピーヌ)。今回はQ3には進めなかったものの、ポイント獲得に向けて意欲十分だった。

ガスリー:レースはタイヤに厳しそうだ。意思の疎通が重要になる。さあ、行こう!

 一方、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ドリンクが飲めない不具合に遭遇していた。

ルクレール:バラクラバを替える時間があるかな。飲み口が壊れてて、ドリンクが飲めないんだ。
ブライアン・ボッツィ:いや、もう時間切れだ。我慢してくれ。
ルクレール:なんてXXなシステムなんだ! しっかりチェックしないと。

 結局ルクレールは水分補給なしでレースを走り続けることに。「去年のような酷暑のコンディションだったら、完走できなかったと思う」と、レース後語っていた。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第23戦カタールGP レース後、パルクフェルメで水を飲むシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 スタート直後、エステバン・オコン(アルピーヌ)とフランコ・コラピント(ウイリアムズ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が絡む多重事故が発生。ヒュルケンベルグは左リヤタイヤのバーストで済んだが、オコンとコラピントは早々にリタイアとなった。

ガエタン・イエゴ:大丈夫か? おそらくこれで終了だ。
コラピント:ああ。XXX!
イエゴ:ダメージを受けてる。スイッチを完全オフにして、安全に飛び降りろ。

フランコ・コラピント(ウイリアムズ)&エステバン・オコン(アルピーヌ)
2024年F1第23戦カタールGP 1周目に接触したフランコ・コラピント(ウイリアムズ)とエステバン・オコン(アルピーヌ)

ヒュルケンベルグ:左リヤにダメージだ。クルマは大丈夫だと思う。タイヤだけだ。ゆっくり戻るよ。

 ウイリアムズ勢は、アレクサンダー・アルボンも事故に巻き込まれた。

アルボン:(ランス)ストロールに当てられた。
ジェームズ・アーウィン:了解。
アルボン:やるだろうと思ってたけどね。

ランス・ストロール:パンクチャーだ。

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2024年F1第23戦カタールGP タイヤ交換を行うランス・ストロール(アストンマーティン)

 すぐ後ろの周冠宇(キック・ザウバー)は、間一髪事故を回避した。

周:あのアストン! ダメージをチェックしてくれ!

 ストロールのドライビングの荒さには、他のドライバーたちも辟易している感じだ。

 8番手スタートのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は最高速が伸びず、一気に12番手まで順位を落としてしまった。

8周目
アロンソ:信じられないよ。もう2年経つのに、いまだにストレートで同じ問題に見舞われている。

セルジオ・ペレス(レッドブル)&フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2024年F1第23戦カタールGP セルジオ・ペレス(レッドブル)&フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

 角田裕毅(RB)は12番グリッドから、一気に9番手までジャンプアップ。しかし明らかにロングランペースに劣り、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ガスリーらになすすべもなく抜かれていった。

16周目
角田:僕は100%プッシュしてるんだよ
エルネスト・デジデリオ:わかっている。耐えるんだ。

 ピットストップウィンドウにはまだ数周あるはずの17周目、ルクレールがタイヤの異常を訴えはじめた。

17周目
ルクレール:タイヤ圧をチェックしてくれ。パンクチャーの感じなんだけど。
ボッツィ:問題ない。

 スタートで順位を落とし、8番手走行中のルイス・ハミルトン(メルセデス)はペースが伸びず、すぐ前のセルジオ・ペレス(レッドブル)を抜きあぐねていた。

19周目
ハミルトン:ペースはどう?
ピーター・ボニントン:前の連中は(1分)25秒だ

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2024年F1第23戦カタールGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ハミルトンは1分26秒台前半が精一杯だった。

23周目
ハミルトン:前とどれくらい離れてるの?
ボニントン:1秒2だ
ハミルトン:クルマ、壊れているのか? 全然曲がらないんだけど。
ボニントン:うまくバランスが取れていない。そういうことだ。

 ちなみに1秒2は先行車とのギャップではなく、1周のタイム差だ。これはかなり大きい。ハミルトンはこの後も、苦戦を強いられることになる。
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F1第23戦無線レビュー(2)に続く



(取材・まとめ 柴田久仁夫)

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