2024.12.06

アルピーヌのドライバー交代に隠された理由。アブダビ次第でドゥーハンの運命が変わる可能性


2024年F1第24戦アブダビGP ジャック・ドゥーハン(左)とピエール・ガスリー(アルピーヌ)
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 アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレが2024年F1最終戦を前に、エステバン・オコンを外し、リザーブドライバーで2025年にレースドライバーに昇格するジャック・ドゥーハンをデビューさせるという決断を下した背景には、いくつかの思惑が隠されていると考えられている。

 アルピーヌは、残り1戦の時点でコンストラクターズ選手権6位に位置し、5ポイント差でハース、13ポイント差でRBが追う状況となっている。しかし、アルピーヌ上層部は、オコンが、移籍先のハースが有利になるように、ラスベガスとカタールで意図的に力を発揮しなかったと考え、強い不満を抱いていた。一方オコンは、自分のシャシーはピエール・ガスリーのものより劣っていると主張していた。

エステバン・オコン(アルピーヌ)
2024年F1バーレーンGP エステバン・オコン(アルピーヌ)

 予定より1戦早くアルピーヌでの時代を終えることになったオコンは、SNSを通して、チームメンバーたちとドゥーハンにメッセージを送った。

「エンストンとビリー(−シャティヨン)で懸命に働いてくれている大勢の人たちに、実際に顔を合わせて、きちんと別れを告げられないことを謝りたい。今週末、最後のレースに出て、あなたたち(チームメンバー)に個人的にさよならを言おうと思っていた。そのふたつのことをするつもりだったんだ。これは僕が望んでいた終わり方ではない」

「友人のジャックが、アブダビGPの週末に、キャリアにおける次の大きなステップを踏むことになった。彼の活躍を祈りたい」

 ブリアトーレは、オコンがアブダビGP後の火曜日に行われる合同テストでハースに合流することを許可する際に、条件として、オコンがカタールを最後にアルピーヌのレースシートから降りることを要求したといわれる。

 アブダビでオコンを走らせないことは、彼のコミットメントの欠如に対する罰と認識されてきた。さらに、ドゥーハンを1戦走らせ、さらに火曜日のテストに参加させることは、2025年のフルシーズン参戦への良い準備になるというメリットもある。

 一方で、チームに近い情報筋によると、アブダビでドゥーハンをオコンの代わりに走らせるという決定には、隠された動機があるのではないかといわれる。ブリアトーレは、ドゥーハンが2025年のガスリーのチームメイトとして最善の選択肢であるという確信を持てずにいる。そのため、最大限のプレッシャーがかかる最終戦アブダビGPで突然デビューするという大きな試練をドゥーハンに与え、その結果を確認することを決めたというのだ。

アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレとジャック・ドゥーハン
2024年F1第23戦カタールGP アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレとジャック・ドゥーハン

 サンパウロGP後、ルサイルでの2日間のプライベートテストで、2022年仕様のA522が2台用意され、ドゥーハンと育成ドライバーのビクトール・マルタンスとクッシュ・マイニが走行したが、ブリアトーレはそこにガスリーも加えるという決定を下して、チームを驚かせた。これはメキシコGP初日に大幅な遅刻をしたガスリーを罰するという目的であったが、同時にチームは、ドゥーハンとガスリーを比較することもできた。

 伝えられるところによると、ドゥーハンは、ポール・リカールでのミック・シューマッハーとのテストと同様に、ルサイルでのテストでも良い仕事をしてみせたという。

 ブリアトーレは、ドゥーハンの代わりにフランコ・コラピントと彼がもたらす極めて高額なスポンサーマネーを手に入れることを選択肢に入れ、今も交渉を続けているようだ。ドゥーハンは、アブダビでの3日間において、高いプレッシャーの下で、良いパフォーマンスを発揮し、アルピーヌがランキング6位を確保するための貢献をすることを求められている。

ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)
2024年F1第24戦アブダビGP木曜日 ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)
ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)
2024年F1第24戦アブダビGP木曜日 ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)



(GrandPrix.com)

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