2026.04.22

さまざまな議論を呼ぶ2026年のF1。新規定でタイムはどう変わった? 開幕3戦のデータを比較


鈴鹿サーキットのS字から逆バンクに入っていくピエール・ガスリー(アルピーヌ) 2026年F1第3戦日本グランプリ
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 F1は2026年、マシンのコンセプトを根本から覆す歴史的なレギュレーション改定を行った。その新規定マシンについては、ドライバーやチーム関係者らから賛否両論、さまざまな意見が出ているが、確かなのは従来のマシンと比べてわずかに遅くなっていることだ。

 では、実際のところどれほどの差があるのだろうか? ここでは開幕から計3戦を終えた今、昨シーズンのタイムデータとの比較を通じて見えてきた2026年仕様マシンの特徴を確認していく。

 まず、新規則の導入によって変わった部分をおさらいしよう。2025年型から2026年型への変更をひと言で言えば、「パワーの出方の変化」と「空気抵抗の削減」に集約される。前者においては、パワーユニット(PU)を構成するエンジンと電気モーターの出力比が従来の8:2から5:5に変わり、モーター出力は前年の3倍(最大350kW)に強化された。

 後者はアクティブ・エアロダイナミクスによって実現しており、前後のウイングが可動式に。これらに加えてシャシー側では100mmの全幅縮小と30kgの軽量化などが見られる。

■2025→2026年 F1開幕3戦の予選タイム比較

オーストラリアGP2025年2026年タイム差
予選ベスト1'15.0961'18.518+3.422
セクター125.96127.498+1.537
セクター216.91517.284+0.369
セクター332.13833.736+1.598
中国GP
予選ベスト1'30.6411'32.064+1.423
セクター123.94523.995+0.050
セクター227.16327.660+0.497
セクター339.41840.387+0.969
日本GP
予選ベスト1'26.9831'28.778+1.795
セクター130.35831.655+1.297
セクター239.19739.398+0.201
セクター317.20517.464+0.259

 上の表組みは、2025年と2026年の開幕3戦(オーストラリアGP、中国GP、日本GP)での予選最速ラップと、同じく予選でのセクターベストを並べたものだ。これを見るとやはり、2026年仕様は従来型よりもラップタイムが落ちていることが分かる。中でも顕著なのがプラス3.4秒となったオーストラリアGPだ。

 セクターごとの最速タイムを見てみると、セクター2は0.3秒のプラスに留まるのに対し、セクター1とセクター3はそれぞれ1.5秒も遅れている。これは、アクティブ・エアロによって最高速が伸びている一方、ストレートの後半でバッテリーに蓄えた電気がなくなったり、スーパークリッピング(エンジンで発電して充電)を行うことで起こる出力低下などが要因として考えられる。

 中国GPはラップタイムで1.4秒のプラスだが、セクター3だけで1秒近く遅れている。これもやはり、ストレート終盤での出力低下が主たる原因だと思われるが、アクティブ・エアロでウイングを寝かす仕様である“ストレートモード”によって一部は相殺されているはずだ。

 特筆すべきはセクター1のタイムは前年と互角であること。さらに、決勝レースのベストセクター比較では、2025年のタイムを0.287秒上回っている。

 日本GPでの1周のタイムの落ちは約1.8秒だった。なお鈴鹿サーキットは、アルバートパーク・サーキットや上海インターナショナル・サーキットとは別の部分で2026年型マシンの特徴が出た。

 今季のクルマは、全幅の縮小とともにタイヤもフロントで2.5cm、リヤは3cm幅が狭くなった。また、グラウンドエフェクトカーではなくなったことでコーナーリング性能が低下している。高速コーナーが連続するセクター1でのプラス1.2秒は、このことを物語っていると言えるだろう。

 一方、デグナーの手前からバックストレートの中盤までとなるセクター2は、モーターによる強力な加速力の恩恵を受けてかコンマ2秒の遅れに留まった。さらに、決勝のセクターベストではコンマ5秒近いマイナスに。また、セクター3もコンマ1秒強のマイナスとなっている。

 技術規則の変更を受けてマシン特性が激変した2026年のF1。5月のマイアミGPからは一部ルールの見直しが即時適用されるとあり、最初の3ラウンドとはまた少し違った走りやレース展開が見られる可能性がある。新シーズンはまだ始まったばかり。各チームは新しいPUと空力の最適解を見つけ出し、シーズン後半に前年のタイムにどこまで迫れるだろうか。

■2025→2026年 F1開幕3戦の決勝タイム比較

オーストラリアGP2025年2026年タイム差
決勝ベスト1'22.1671'22.091-0.076
セクター128.55328.823+0.270
セクター217.83117.380-0.451
セクター334.89035.599+0.709
中国GP
決勝ベスト1'35.0691'35.275+0.206
セクター125.33425.047-0.287
セクター228.43728.462+0.025
セクター340.99341.213+0.220
日本GP
決勝ベスト1'30.9651'32.432+1.467
セクター131.23533.662+2.427
セクター241.40440.919-0.485
セクター317.70017.578-0.122

※2025年オーストラリアGP、日本GPは雨の影響あり

1.2kmのバックストレートエンド(ターン14)
上海インターナショナル・サーキットのバックストレートエンド(ターン14)


(autosport web)

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