リカルド、象徴的なカーナンバー『3』をフェルスタッペンに譲ったのは「すごくクールなこと」
F1の世界では、カーナンバーはしばしば指紋のように、そのドライバーにとって個人的なものだが、レッドブルの元チームメイト同士のダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンにとって『3番』は、長く続く友情の象徴になりそうだ。
2026年に、この象徴的な数字は正式にリカルドからフェルスタッペンへと引き継がれた。リカルドはその“受け渡し”について、この上なくうれしく感じているという。
このナンバーの変更は、2025年オースティンでふたりが再会したことから実現した。フェルスタッペンは、ランド・ノリス(マクラーレン)が2025年のワールドチャンピオンになってゼッケン1番を彼に譲ることになる場合には、以前の33番に戻るのではなく、自身のお気に入りの『3』を付けたいと考えていたのだ。
『GQ Sports』の取材に対し、リカルドはオースティンでの再会の際に、“バトンが渡された”瞬間を振り返った。
ドライバーが引退した際にそのカーナンバーを他のドライバーが使用するには、2年待たなければならない。リカルドによれば、旧友をその義務から解放することに、ためらいは一切なかったという。
「オースティンでマックスと会った時、彼が『ナンバー3を付けたい』って言ってくれてね。もちろん、僕としては心から喜んで『いいよ』と答えた。そうしなかったら、彼はもう1年待たなきゃいけなかったはずだから」とリカルドは説明する。
「今こうしてその番号を彼に渡せるのは、僕にとって喜びなんだ」

この出来事に、F1コミュニティは強い反応を示した。レッドブルでのチームメイト時代、ふたりは激しく戦いつつも、エンタテインメント性あふれる雰囲気を見せており、多くの人々が、その時代を懐かしく思い起こしたのだ。
「すごくクールだよね。僕たちにとってクールなストーリーだし、当時僕とマックスを応援してくれていたF1ファンにとっても同じだと思う」と、リカルドは付け加えた。
自身のナンバーはF1グリッド上に残り続けるが、リカルド本人はコクピットを離れ、よりリラックスしたライフスタイルへとシフトしている。
2024年シンガポールGPを最後に現役を退いた8回のグランプリウイナーは、現在はフォードのグローバルアンバサダーとしての役割に重心を置き、ストップウォッチから離れた場所で充実感を見出している。
「引退に慣れるまでには少し時間がかかったけれど、今は自分なりのペースとかハピネスを見つけつつあると言えるかな」と、リカルドは語る。
「フォードと一緒に、アンバサダーを務めることで、レースやモータースポーツ、自動車の世界には、これまでどおり関わり続けることができる。でも、長年自分自身に課してきたようなプレッシャーはない。だから本当にいいバランスだと感じていて、すごく満足しているよ」

余裕のある時間が増えたことで、ちょっとした個人的な挑戦や、ワイルドなオフロード遊びも楽しめるようになったという。
「生活は大きく変わったけれど、いい方向に変化した。自分の時間をたくさん持てるようになったし、ひげを伸ばす時間もできたよ。数日前に剃ったところなんだけど、それまでは本物の“ビアード”だったからね!」とリカルド。
「レースや遠征でずっと旅をしていた頃には、なかなかできなかったことをする時間ができた。家族や友人と過ごす時間がすごく増えたんだ。自分のラプターでたくさん走り回ることも含めて、その時間をすごく楽しんでいるよ」
現在の生活を楽しみながらも、リカルドは自身のキャリアの最盛期を懐かしく振り返ることもある。たとえば、マレーシアGPで勝利を挙げた2016年シーズンのレッドブルを、これまでのキャリアの中で最高のお気に入りのマシンとして挙げ、「僕はあのクルマが大好きだった」と述べている。