イタリア大手エネルギー会社エニがF1に復帰。ルノーと提携、アルピーヌF1の公式エネルギー&燃料パートナーに
BWTアルピーヌF1チームが、イタリアのグローバル・エネルギー技術会社Eni(エニ)との提携を発表した。これによりエニは20年以上を経て、F1に復帰することになる。
ルノー・グループ、エニ、アルピーヌF1チームが、戦略的パートナーシップを結んだことが、2月13日、発表された。3社はレース用途向けの新しいバイオガソリン製品のテストにおいて協力する。また、「ルノー・グループとエニは、持続可能な輸送ソリューションを提供し、顧客体験を向上させることを目的として、モビリティおよびエネルギーソリューションにおける潜在的な相乗効果を模索する」とも、ルノーは述べている。
この複数年契約のもと、Eniは、アルピーヌF1チームの公式エネルギー&燃料パートナーに就任する。エニがF1チームと組むのは、2000年にベネトンのパートナーを務めて以来のことだ。
後にエニに吸収合併されるアジップは、かつて長くフェラーリのパートナーを務めた。フェラーリがシェルと契約した後、エニはフラビオ・ブリアトーレ率いるベネトンと提携し、F1活動を行ったが、ルノーがベネトンを買収した際に、この契約は終了した。
しかし今年、エニは、ルノー・グループ全体と商業面、エンジニアリング面の契約を結び、F1に復帰することが決まった。ルノーCEOルカ・デメオおよび現在アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるブリアトーレが、エニの経営陣と個人的なつながりがあることが、今回の契約につながったと考えられている。
BPとカストロールがアウディF1と技術提携を結んだことで、アルピーヌは燃料とオイルのパートナーを失うことになった。2026年に向けてルノーのワークス・パワーユニット(PU)部門は廃止されることが決まり、アルピーヌは来年からメルセデスのパワーユニットを搭載する。従って、今回のパートナーシップの焦点は、ペトロナスがメルセデスエンジン用に調整している製品を使用することなく、アルピーヌがメルセデスPUを最大限に活用するための作業に向けられることになるだろう。
チームのプレミアムパートナーとして、エニのロゴは、2025年型マシン『A525』の車体と、ドライバーのレーシングスーツおよびヘルメットに飾られる。
さらにチームは、「エニの存在は、ピットストップクルーなどF1チーム全体のエコシステムおよびレース環境にも広がる。ここには、燃料技術の革新を評価・分析し、モータースポーツの最高峰におけるレース用バイオガソリンを開発することを目的とした将来的な協力も含まれる」とも述べている。
エニのCEOクラウディオ・デスカルツィは次のようにコメントした。
「本日、我々は重要な契約を締結した。これにより、エニとルノー・グループは、それぞれの分野において両社が持つ産業的地位と技術的リーダーシップを結集し、持続可能な輸送にとって根本的に重要な分野で新たな発展の道を切り開くことを目指す」
「また、BWTアルピーヌF1チームを通じたバイオガソリンのテスト導入も同様に重要である。それはエンジン開発と性能における、F1の絶え間ない技術的卓越性の追求を反映しているからだ」