2025.01.12

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:F1チーム、プレシーズンテストを前に2023年仕様マシンでテスト走行


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 バーレーンで2月最後の3日間に予定されている唯一のプレシーズンテストの前に、2年前のマシンを使用してドライバーのスピードを上げさせようとしているのはフェラーリだけではない。ルイス・ハミルトンがフェラーリから前モデルのマシンで1000kmの走行をフルに割り当てられている一方、メルセデスではルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリが、おそらくイモラで2023年仕様のW14に乗って2日間の走行を行うようになる。
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 一方、マクラーレンも新車発表前にオスカー・ピアストリとランド・ノリスの両名に1日ずつテストの機会を与える計画だ。リアム・ローソンも、タイトルを獲得したRB19で少なくとも1日は走行する予定だ。彼の元チームは現在レーシング・ブルズと改名されているが、彼らはいつものようにイモラに向かい、バーレーンテストの前に角田裕毅とルーキーのアイザック・ハジャルの両名にそれぞれ500kmの走行を行わせる予定だ。

 ウイリアムズでカルロス・サインツが要求していたことのひとつに、過去2シーズンにフェラーリで行ったように、1月下旬に2年前のマシンで走行することがあったが、チームはテストの日程を決めておらず、コースも選んでいない。そしてアルピーヌは、ジャック・ドゥーハンが初のF1フルシーズンに乗り出す準備として、さらに2日間のテストを行うようだ。つまり、今のところ2025年型マシンのテスト準備が整う前に走行する予定がないのは、アストンマーティン、ハース、ザウバーの3チームのみだ。

パット・シモンズが現場に復帰
(c)XPB Images
 ベテランエンジニアのパット・シモンズは、キャデラックのエグゼクティブエンジニアリングコンサルタントとして新たな職務を開始し、8年ぶりにグランプリチームの最前線に復帰した。かつてシモンズはF1で8年間仕事をし、ロス・ブラウンとともに現在のテクニカルレギュレーションの父となり、来年初めに施行される将来のレギュレーションにも大きな貢献を果たした。

 キャデラックで、シモンズはチーム代表のグレアム・ロードンと再会する。ベテランエンジニアのシモンズが、2008年のシンガポールGPでの“クラッシュゲート”スキャンダルに関わったことで追放処分を受けた後、5年後にグランプリレースに復帰したのはマルシャでのことだった。

 また、シモンズは2009年末までルノーで彼の指揮下で仕事をした多くのエンジニアとも再会する。最も有名なのは、テクニカルディレクターのニック・チェスター、チーフ・オペレーティング・オフィサーのロブ・ホワイト、そして空力責任者のジョン・トムリンソンだ。また、過去18カ月間にアメリカのチームに移籍した元エンストンのスタッフも非常に多い。

 シモンズは新たな仕事について、「2026年のプレシーズンテストが、前回新しいパワーユニットが導入された2014年と同じパターンであれば、マシンを走らせるまでに400日も残っていないので、エキサイティングな挑戦となる」と認め、次のように付け加えた。

「ゼネラルモーターズ(GM)には長いモータースポーツの伝統がある。私は少年のころ、シャパラル2Fがブランズハッチで開催された(1967年の)BOAC500で勝ったのを見たことを覚えている。シャパラルの立役者であるジム・ホールは、GMがそのプログラムに貢献したことを常に認めていた。最近では、彼らはシボレーとキャデラックのブランドを通じて、スポーツカーのレースでも競争力を発揮しているし、それに加えてインディカーのパワーユニットサプライヤーにもなっている。ル・マンからタラデガまで、スポーツカーからストックカーまで、彼らは勝ち方を知っている。それと同時に、モータースポーツの頂点として、彼らはF1に求められる革新性と卓越性、そして他のシリーズで享受してきた成功を再現するべくチームを構築するために必要とされることを、深く尊重している」

ヨーロッパグランプリ枠のローテーション
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 各チームは、イベントごとにクルーを完全に交代させるための2陣目のクルーを雇わずに対応できるのは24グランプリが限界であり、なくなることのないトリプルヘッダーがあってはなおさらそうだと主張している。そのためF1は、2026年末にザントフォールトとバルセロナとの契約が終了したら、ヨーロッパでの年間グランプリを8戦に削減する予定のようだ。
 ステファノ・ドメニカリの計画は、6つのヨーロッパグランプリをカレンダー上に長期間確保しつつ、残りのふたつの枠を、コストの増大にもかかわらず依然としてヨーロッパでF1レースを開催する意志を持つ他のプロモーター間でローテーションさせることだ。

 現時点では、オーストリア(2030年)、モナコとイタリア(ともに2031年)、ハンガリー(2032年)、イギリス(2034年)、スペイン(2035年)が長期契約を確保しており、バルセロナ、イモラ、スパ・フランコルシャン、そしてフランスとドイツのプロモーターがローテーション制度への参加を競っている。しかしながら、ベルギーGPをカレンダーの恒久的なイベントとして維持するようチームとFIAから圧力がかかっている。クリスマスと新年の2週間の休暇の後にさまざまなプロモーターとの交渉が本格的に再開されるので、こうした物事が確定するには程遠い状況だ。

(Translation: AKARAG)

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