ピレリ、2026年用F1タイヤのコンパウンドを決定。最も柔らかい『C6』を廃止、ドライタイヤは再び5種類に
F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、1カ月足らず前に行われた最終テストの分析をすべて完了し、2026年のF1世界選手権で使用できるすべてのタイヤコンパウンドと構造の仕様を確定したことを、全F1チームに通知した。ピレリは、「メキシコシティでの最後のテストセッション後の分析を完了」しており、FIAの承認については、「テクニカルレギュレーションに規定されているとおり、12月15日に承認される予定のコンパウンドを決定した」と述べた。
さまざまなタイヤの特性に関する詳細は、すでにチームに送られている。最も注目すべき情報は、2025年はほとんど使用されす、実際にはほぼ役に立たなかった最も柔らかい『C6』コンパウンドを廃止し、5つの異なるスリックコンパウンドを作るという以前のシステムに戻したことだ。今年イモラで開催された第7戦エミリア・ロマーニャGPでC6が導入されて以降、ドライバーやチームから寄せられたフィードバックは常に非常に否定的なものだった。ドライバーは通予選でもC6タイヤを使わず、グリッドで最高のポジションを確保するために従来のC5タイヤを選んでいた。そのため、最終的にピレリは実験を終了することを決め、今年ほとんどのチームが実施した集中テストプログラムは、5種類のスリックコンパウンドに焦点を当てたものとなった。


ピレリは声明のなかで、次のように説明した。
「ドライタイヤのレンジは、最も硬いC1から最も柔らかいC5までの5つのコンパウンドで構成されている。すべて現在のものと同様の位置付けで、世界選手権カレンダーのサーキットで見られる多くの異なる特性にわたって多様な選択肢を可能にすることを目指した、熱劣化へのアプローチを備えている」
「今シーズンのレンジにある6番目の最もソフト寄りのC6を承認しないという決定は、まさにこの差分の要件を満たすことが不可能であったために下された。最新のテストでは、C5プロトタイプとC6プロトタイプ間のタイムギャップが、他のプロトタイプに比べて小さすぎるため、パフォーマンス上の大きな利点は得られないことが示された」
「来年導入されるアクティブエアロダイナミクスを考慮し、車軸全体のバランスを慎重に評価した結果、最終的なタイヤ構造は9月1日に完成した。タイヤ開発は、チームから提供された予測データにもとづき、2026年シーズン末の予測荷重と速度を参考にしたシミュレーションを用いて、今年と同様の目標を追求しながら行われた。次世代マシンの特性を再現するために改造されたミュールカーによる開発トラックテストの結果にもとづいて、モデルの検証が行われた」
「最終的な承認を受ける前に、このレンジは12月9日にアブダビで終日開催されるグループテストで使用される。チームにはC2からC5までのコンパウンドのセットのほか、ウエットコンディションに備えてインターミディエイトタイヤも供給される。C1とフルウエットは2026年モデルに含まれるものの、ヤス・マリーナでは供給されない。テストは現役のレースドライバーがミュールカーで実施し、同日には若手ドライバーも現行タイヤを装着した2025年モデルのマシンをドライブしてコースに出る」



