2024.08.13

【F速プレミアム】
依然としてチャンピオン候補に留まるフェルスタッペン。マクラーレンはコンストラクターズで逆転の目/スペイン人ライターのF1コラム


(c)XPB Images
 2024年F1シーズンも前半戦が終了。当初はレッドブルのフェルスタッペンが圧勝するかに思われたシーズンだが、ライバルの巻き返しで予断を許さない状況になっている。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアが前半戦の現状について語る。
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 2021年に惜しまれつつこの世を去った伝説のF1解説者マレー・ウォーカーは、こう言っていたものだ。「グランプリレースでは何でも起こり得る。たいていはそうなる」ライブ解説の慌ただしい現実から生まれた、明らかに乱れた文法の下に、モータースポーツの、そしてまさにスポーツの根本的な真実が隠れている。その最高の瞬間のいくつかは、最新のハリウッド大作のなかでさえ場違いに見えるだろう。それは予測不可能なときもある。そして多くの点で、2024年のF1シーズンはまさにその通りであることが証明されつつある。

 これまで、コース外での興味深い点について話す機会や理由はたくさんあったので、これまでの数レースについては、実際のコースでの動きにもう少し焦点を当てる価値があると思う。そしてそこにこそ、我々が楽しんでいるこの非常に楽しいシーズンの核心がある。皆さんのなかにはあきれる人もいるだろう。結局のところ、マックス・フェルスタッペンは今も文句なしのチャンピオンシップリーダーであり、レッドブルは依然として先行している。

 それでも、我々が目にするものはすべて魅力的だと思う! 今年は7人の異なるレースウイナーが出た。これは2012年当時の8人以来の最多記録だ。上位4チームのドライバーのなかでまだレース優勝を飾っていないのは、セルジオ・ペレスだけとなる。レッドブルは好調なシーズンのスタートを切ったが、レースが進むにつれてライバルたちがレベルを上げてきた。まずマクラーレンが勝利を目指して挑戦を始め、次にフェラーリが勢いを増し、そして最近はメルセデスがその争いに加わっている。そのため昨年とはまったく異なる状況となり、レッドブルは優位性を維持するのに苦戦している。

 ちなみにレッドブルについてだが、現時点では確実なことを知るのは不可能なので、うわさとしてしか扱うことができない。私はこの件について、スペインで最も人脈の広いジャーナリストのひとりと話をした。彼もまったく同じ理由でその件を認めようとはしなかったものの、彼がパドックの情報筋から聞いたところでは、レッドブルが実質的にマシンに違法なものをつけていることが発覚したという。
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 何であれそれが取り除かれると、彼らの進歩は鈍化したということだ。私が聞いたことからすると、それは中国GPの後だったはずだ……。今年セルジオ・ペレスが本当に素晴らしいレベルでパフォーマンスを発揮したのは中国GPが最後だった。

 私自身は陰謀論を好まないが、レッドブルですべてが順調に進んでいるわけではないことは明らかだ。結局のところ、エイドリアン・ニューウェイがチームを去ること、そして内部ではクリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコの間の権力闘争があることを忘れてはならない。こうしたことがチームを不安定にするのは間違いない。コンマ2、3秒が大きな差となるF1のような世界では、どんなに小さな問題でもこのスポーツに最大の波紋を引き起こす可能性がある。それを除くと、マクラーレン、メルセデス、そしてフェラーリの努力は称賛に値する。

 たとえレッドブルが、政治的なものであろうとなかろうと、自ら何かの問題を引き起こしたとしても、ライバルチームは適切な技術アップデートを通じて彼らに追いつく必要があっただろう。そして現状では、メルセデスは過去4レースのうち3レースで優勝している! 同様の好成績が前回達成されたのは、ドライバーズおよびコンストラクターズの両選手権を争っていた2021年のことだ。

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