【角田裕毅F1第15戦分析】スタートで躓きライバルが先行「ローンチの瞬間にスピードが落ちた」2ストップで挽回叶わず
2024年F1第15戦オランダGP土曜日の予選で13番手に終わった角田裕毅(RB)。予選後の車検で、8番手タイムを刻んだアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のマシンFW46のフロアが技術レギュレーションに違反していたとして失格となり、アルボンは予選結果から除外された。
さらに、予選のQ2で角田を1000分の7秒上回って12番手となったルイス・ハミルトン(メルセデス)はQ1でセルジオ・ペレス(レッドブル)のアタックを妨害したとして、3グリッド降格ペナルティを科された。予選で角田より上位のポジションを得ていたふたりのドライバーが降格したことにより、角田のスタートポジションは13番手から11番手へと上がった。
しかし、ポイントを獲得するためには、最低でももうひとつポジションを上げることが必要だ。後方にペナルティで降格したハミルトンがいることを考えると、レース戦略はアグレッシブにいかなければならない。
RBはそこで11番手からスタートする角田と13番手からスタートするチームメイトのダニエル・リカルドの戦略を分けた。角田が採った戦略はスタートでソフトタイヤを履き、かつ2ストップという作戦だった。
だが、その作戦はスタートでつまずいてしまう。スタートで出遅れ、コンストラクターズ選手権で6位争いをしているハースのニコ・ヒュルケンベルグに先行を許してしまった。いったい何が起きたのか?
「ローンチ(発進)した瞬間に、スピードが落ちました。理由はまだわかりません」
ホイールスピンというより、エンジンの回転が落ちたのか?
「もしかすると、そうかもしれません」
角田はそう振り返った。
2周目にハミルトンに抜かれ、13番手となった。とはいえ、まだレースは始まったばかり。残り70周で逆転するチャンスはまだ残っていた。ところが、ここでRBはピットストップのタイミングで後手に回ってしまう。
ライバルより1回多い2ストップで逆転するには、ライバル勢よりも速いペースで走る必要がある。しかし、RBのピットウォールは2度ともタイミングを間違え、角田を集団の背後でコースに復帰させてしまった。これでは2ストップ作戦は機能しない。
ローラン・メキース代表も戦略を機能させることができなかったと認めている。
「レースではポジションを挽回するためにいくつかのことを試し、ユウキを2ストップで走らせるというちょっとしたリスクも冒したが、明らかにうまくいかず、レースのほとんどでトラフィックに引っかかってしまった」
テクニカルディレクターのジョディ・エギントンはこう語る。
「今週末の我々は反省点が多かった。この日のレースでユウキの作戦が思い通りにいかず、難しいレースになってしまったのも、そのひとつだ」
次のイタリアGPはチームにとって今年2度目の母国グランプリ。その舞台となるモンツァはストレートが長いものの、DRSトレインになりやすく、意外とオーバーテイクが難しいサーキット。そこで重要となるのが、スタートとピットストップのタイミング。今回の失敗をしっかりと反省して、春のイモラに続いて秋の母国グランプリでもポイントを獲得してほしい。