2024.08.30

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:オランダの優秀なグランプリプロモーターが目指したもの


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 F1はオランダGPで、鈴鹿のモビリティランドのグループを含む6社のグランプリプロモーターを招待したが、それにはふたつの目的があった。オランダGPのプロモーターは、F1の年間最優秀プロモーター賞を受賞しており、ステファノ・ドメニカリの意図のひとつは、ザントフォールトの運営陣が一日中ファンを楽しませている様子を、フライアウェイレースのプロモーターたちに見せることにあった。
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 彼らはトラックのあちこちに数人のDJを配置し、交代で早朝から夜までファンにあらゆる種類のエンターテインメントを提供している。しかし、ザントフォールトの施設は、パドッククラブからふたつの狭いパドック、そしてひどい状態のプレスルームとカメラマンルームまで、F1のなかでも最悪のものだ。つまりドメニカリは、ゲストたちがグランプリレースで、もはや提供されるべきではないものを見ることも望んでいたのだ。

ロバート・シュワルツマンの挑戦
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 キック・ザウバーとの契約によるFP1走行のために、フェラーリはロバート・シュワルツマンという予想外の選択をした。イスラエル生まれのロシア人ドライバーであるシュワルツマンは、特に雨天のコンディションで素晴らしい仕事をし、初めての本格的な走行で総合3位という非常に印象的なタイムを出した。

 スリックタイヤが必要になると、シュワルツマンはソフトタイヤでの経験が不足していること、チームのマシンに関する全体的な知識が欠けていたこと、また、周(冠宇)よりもダウンフォース量の多い状態で走行していたことなどから、タイムシートの後方へと追いやられたが、それでもチームは彼のスピードと成熟度に非常に感銘を受けた。

 残念なことに、この若者はシングルシーターレースから3年間離れていることから、将来のF1チームの候補からは外されてしまったが、彼がこの形式のレースに復帰できる最高のチャンスはアメリカにある。

 プレマは、2025年に独自のインディカーチームを立ち上げる予定だ。シュワルツマンは、プレマおおよびロジン家と親密な関係にあるし、2019年末に彼の父親が急逝してからロジン家は彼を支援している。アメリカ最大のシングルシーターカテゴリーへプレマが初めて挑戦するにあたり、彼はチームのドライバーの一員に加わるのに有利な立場にいる。

オランダGP継続を望むオランダ国王
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 マックス・フェルスタッペンとF1の大ファンであるオランダ国王は、昨年の経験を再現し、国民的英雄を応援するためにザントフォールトのグリッドに立った。同時に、ウィレム・アレキサンダー国王は、オランダGPが今後何年もF1カレンダーに残ることができるよう望み、レースへの支持を表明した。

 国王は地元メディアに対し、「ザントフォールトでのグランプリについては、海外で肯定的な話がよく聞かれるし、このレースがF1全体の模範であることは明らかだ」と指摘した。

 その後ウィレム・アレキサンダー国王は、「彼らは2025年以降も継続すべきだろうか?」と疑問を呈したが、すぐに次のように釈明した。「それは私が決めることではない」それでも国王は、自身の観点から次のように明言した。「このレースができるだけ長く続いたら素晴らしいことだ。これはオランダにとって素晴らしい宣伝となる」

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリも、新たな契約が締結されることに期待を示し、「この場所には未来があると確信している。彼らはそれに値する」と語った。

 しかし、レースプロモーターのロバート・ファン・オーバーダイクはそれほど楽観的ではなく、次のように語った。「ドメニカリ氏は、年末まで話し合いを続ける時間を互いに与えようと言っている。FOM(フォーミュラワン・マネジメント)は、まだやるべきことがたくさんあることを認識している」

 それでも、ファン・オーバーダイクは次のように説明した。「私はそのための厳格な期限があるとは見ていないが、余裕が与えられているという事実は、彼らが我々に満足していることを示している。今後数週間で決定を下す必要はないということだ」

(Translation: AKARAG)

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