【F1チームパートナー図鑑/ハース編】12名のノーベル賞受賞者を輩出した医療機関も支援
1月16日のレッドブル&レーシングブルズを筆頭に、2026年シーズンのF1マシンカラーリング発表ラッシュがスタートを迎えた。鮮やかなマシンカラーリングとともに、車体に掲示されるパートナー企業のロゴも2026年仕様に一新されている。ここではF1チームパートナー図鑑と題し、2026年シーズンに参戦する全11チームのパートナー/スポンサー企業を順次紹介していく。
第3回目となる今回は1月19日に2026年型マシン『VF-26』のカラーリングをオンラインでお披露目したTGRハースF1チーム。なお、本稿はマシンカラーリング発表時点のチームリリース、公式サイト等でロゴ提示の確認がとれた企業のみ掲載している。
★ ★ ★ ★ ★ ★
タイトルパートナーを務めるだけでなく、人材派遣や車両開発などを含めて戦略的関係を結ぶ。ハースF1の本拠地の英国バンベリーでは、トヨタの協力を得たシミュレーターが5月に稼働予定。日本人ドライバーのテスト起用にも積極的で見逃せない。なお、『TOYOTA GAZOO Racing(TGR)』は、『GAZOO Racing(GR)』、『TOYOTA RACING(TR)』の2ブランドに分かれることになったが、ハースF1は『VF-26』のカラーリング発表時のプレスリリースにおいて「シーズンを通じてTGRブランドを掲げる」と説明した。
ハースF1チームオーナーのジーン・ハースにより、1983年に米国カリフォルニア州で創立された世界的な工作機械製造会社。同社の最新鋭工作機械は米国、英国、イタリアのチーム各拠点に設置され、部品製造の内製化に大きく寄与している。

2007年にオーストラリア・シドニーで創業したICマーケッツは、オンラインFX(外国為替証拠金取引)/CFD(差金決済取引)ブローカー。F1では新たなアイコン『IC』を掲げて、公式FXトレーディングパートナーとしてハースF1を支援する。
1997年にスウェーデン・ベクショーで創業。2005年に自社ブランド『プレインゴー』を立ち上げて運営を開始。モバイル端末向けの開発にいち早く注力し、現在はスマートフォン市場に強みを持つ世界的なオンラインカジノゲーム・プロバイダーとなった。
1963年にイタリアで創業したスポーツ用品メーカー。当初は二輪用品で有名だったが1990年代に四輪用品へ進出。ドライバーにレーシングスーツ、グローブ、シューズ、アンダーウェア、チームスタッフには耐火スーツ、シューズなどを提供している。
元アスリートのビアン兄弟により、2015年に英国リバプールで創業されたプレミアム・スポーウェアブランド。テニス界のレジェンド、アンディ・マレーも出資者。チームにはドライバーをはじめとするスタッフが着用する公式ウェアを提供する。
1976年に米国ノースカロライナ州で創業した、世界最大級の通信ネットワーク・インフラプロバイダー。レース運営の根幹となるネットワークインフラおよび通信ソリューションをチームに提供し、ピットやガレージの高速通信を支えている。
1992年にカナダ・ケベック州で創業した自動車の修理工場ネットワークで世界2千カ所以上の拠点を展開。板金・塗装、修理・整備、保守・管理が主な事業。2026年はカナダGPをホームイベントとし、ファンやパートナー向けのイベントを開催する。なお、ニコ・ヒュルケンベルグが(アウディ)が2025年9月に同社のグローバルブランドパートナーに就任している。

ジーン・ハースが経営するハース・オートメーションのオンライン工具販売部門で2020年にサービスを開始。ハースF1には切削工具、治具、測定工具などを提供。一般客もF1品質の工具を手に入れられる。
2006年にクロアチアで創業された、世界最大級のクラウド・コミュニケーション・プラットフォーム企業。ハースの公式メッセージング・パートナーとして、WhatsAppやSNSを活用したファンとの双方向コミュニケーションを支えている。
1986年にラスベガスで創業した世界最大のグローバル・エンターテインメント企業(カジノホテル等)。ラスベガスGPなどではファンイベントを通じて、F1の華やかさや贅沢さを象徴する役割を担う。
1992年にインド・ベンガルールで創業した、クラウドとコグニティブサービスに特化した世界的なITサービス企業。リアルタイムデータ解析とAI活用、サイバーセキュリティ基盤などを提供し、『知のエンジン』としてハースF1に寄与している。
1920年に米国ニューヨーク州で創業された、世界最大級のヘッドウェア&アパレルブランド。ドライバーやスタッフが着用するキャップを提供。MLBをはじめとするトップスポーツでの実績と、ストリートファッションでの高い支持が持ち味である。

2017年に米国フロリダ州で創業した、テクノロジー主導の革新的な保険会社。公式保険パートナーとして米国市場でのブランド浸透、ファン向けの特別イベント、独立代理店や顧客を招いた限定ホスピタリティプログラムを展開する。
1872年に創設されたイタリア・ミラノに本拠を置くタイヤメーカー。2011年からF1へタイヤをワンメイク供給。F1だけでなく、サポートレースであるFIA F2/FIA F3にもタイヤをワンメイク供給中だ。市販タイヤでも2024年の売上高ベースは世界5位のシェアを誇っている。
2004年に米国シリコンバレーで創業したVideo54テクノロジーズのブランド。買収により2019年にはコムスコープのブランドとなる。無線通信技術の世界的リーダーであり、ガレージやホスピタリティにAI駆動の超高速Wi-Fi環境を提供している。
1922年にドイツで創業。100年以上にわたり頭部保護の先駆者として君臨する、世界最高峰のヘルメットメーカーのひとつ。ハースF1の公式ヘルメットパートナーとして、超軽量カーボン素材と独自の風洞技術を用いた高機能ヘルメットをチームスタッフへ供給する。

1734年にフランス・ランスでフォレスト・フルノー社として創業。1932年のテタンジェ家による買収後も、家族経営を貫く世界最高峰のシャンパーニュメゾン。公式シャンパンパートナーとして、ハースF1の祝杯やホスピタリティを華やかに支える。
2007年に米国カリフォルニアで創業されたプレミアム・ライフスタイルブランド。世界中を移動するチームスタッフに、高機能のシャツ、パンツ、シューズ、ラゲッジ、バックパックを提供。過酷な長時間移動を快適にする装備で支えている。
1927年設立。F1史上初の医療機関によるパートナーともされ、これまでに12名のノーベル賞受賞者を輩出している。最先端の医学研究と臨床知見をチームに導入し、ドライバーやスタッフの心身のパフォーマンスを極限まで高める。

2017年にフィンランド・ヘイノラで創業した会社の高級ナチュラルミネラルウォーターブランド。氷河期から守られてきた超純水を提供し、極限状態で戦うドライバーやスタッフの水分補給とリカバリーを医学的・科学的な側面から支えている。
2021年にシンガポールで設立された、デリバティブ取引に特化した急成長中の暗号資産取引所。マシンやスーツへのロゴ掲出に加え、トレーディングキャンペーンや限定イベントを通じて、世界中のファンに次世代資産運用のかたちを提案している。
1933年にタイ・バンコクで創業したブーンロート・ブリュワリー社。傘下にビールメーカーのシンハーコーポレーションを持ち、同社が手掛ける『シンハービール』は世界的にも知名度が高い。パドックやチームのホスピタリティでの飲料提供とプロモーション実施を予定している。2025年までキック・ザウバーのスポンサーだったがハースへ“移籍”したかたちだ。
(執筆:石井功次郎)
