2025.01.29

2026年のF1開催に向けた準備は「計画通り」とマドリード市長は主張も、建設工事の遅延や資金調達などの問題が生じる


マドリードにあるIFEMAコンベンションセンター周辺がスペインGPの新たな舞台となる
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 2026年、F1スペインGPはバルセロナからマドリードに開催地を移す予定だが、マドリードの国際展示場『IFEMA』の敷地に半常設サーキットを建設するプロジェクトについては、プロジェクトの資金調達や実現可能性といった点に多くの未解決の問題があるため、依然として疑問が残されている。2025年の大半を通して、F1関係者たちは2026年に新サーキットが完成する可能性に公然と疑念を抱いていたが、夏以降はその疑念を和らげる動きが続いていた。

 グランプリのコンサルタントを務めている経験豊富なリチャード・クレガンは、プロモーター代表団を率いてグランプリ開催期間の最初の数日にカタールに滞在し、F1、FIA、チームに対してプロジェクトをプレゼンテーションした。彼らの存在は、2026年からマドリードでスペインGPを開催することの実現可能性についてパドックの全員に安心感を与えた。

 しかし、マドリード市長のホセ・ルイス・マルティネス=アルメイダが、必要な建設工事は4月末に開始される予定だと発表したものの、入札手続きが遅れているため1カ月の遅延が生じる可能性があると認めたことから、このプロジェクトについて新たな疑問が生じている。さらに市長は、プロジェクトの資金調達についてすべての関係者に説明することができなかった。F1が知る限り、このプロジェクトは民間投資家グループとマドリード市との合弁事業となっているはずだが、どの出資者がこのプロジェクトに資金を投入するのかは明らかにされていない。また、すべてのプロセスが不明確であるため、全体的にスペインのファンやF1関係者たちはかなりの不安を抱いている。

『Europa Press』の朝の番組で、アルメイダ市長は「レースは開催され、成功するだろう」と断言した。

「来年のF1グランプリは間近に迫っている。したがって、サーキットとすべての設備を整備する必要がある」

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IFEMAマドリード・サーキットのコースレイアウト

 アルメイダ市長は「このプロジェクトに関わる全員が、実現に向けて懸命に努力している」と述べ、プログラムは「計画通り」に進んでいることを強調した。また、すべてが直前になって完成したマイアミやラスベガスなどの最近のグランプリプロジェクトと類似点があることさえ主張したが、建設、スタッフ、宣伝の費用を誰が負担するのかという問題については、アルメイダ市長は疑問を解消できなかった。

 このプロセスの開始当初から、マドリードは物事を進めるのが非常に遅かった。F1との契約に署名した後、プロモーターは建設と必要なスタッフの雇用に関するすべての入札を実施する法律顧問を選出するのにほぼ6カ月を要した。それが解決された後も、パッケージ全体をまとめる企業の選定プロセスはまだ完了していない。

 マドリードでのレースが予定されているのは2026年9月であることは確かだが、最初の基礎工事が5月末に始まるとすれば、すでに予定より遅れていることになる。バルセロナのF1レース開催契約は2026年末まで有効であるため、もちろん来年もグランプリが開催されることになっている。しかしカタルーニャ側は、マドリードの計画が崩れ、それによってF1のCEOであるステファノ・ドメニカリと新たな契約を結べるようになり、2020年代の終わりまでレースを開催できるようになることを期待している。



(GrandPrix.com)

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