2015.09.23

【決勝無線】NOと言える17歳、トロロッソの火種


2015年F1第13戦シンガポールGP 「前車を抜けないなら、チームメイトを前に出せ」との指示を、きっぱり拒絶したマックス・フェルスタッペン
(c)XPB Images
 シンガポールGPでは、2台ともトラブルに見舞われながら巻き返してダブル入賞を飾ったトロロッソ。しかし、マックス・フェルスタッペンがチームオーダーを拒否するという“事件”もあった。ドライバーとチームの無線交信から、ナイトレースの裏側をお伝えしよう。

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「マックス、ポジションを入れ換えてくれ」
「ノー!」

 レースエンジニアのセビ・プホラルからの指示に対して、マックス・フェルスタッペンは、はっきりと拒絶の意思を示した。この時点でレースは残り2周。

「マックス、とにかくそうしてくれ」

 しかし、フェルスタッペンは譲らなかった。前には7番手のセルジオ・ペレスがいて、2台のトロロッソが15周以上にわたり、テール・トゥ・ノーズで追いかけていた。純粋なラップタイムでは2秒近く速いにもかかわらず、ストレートが伸びるフォース・インディアのマシンを抜くことは、なかなかできなかった。

「シナリオプラスを使って、彼を抜け」

 ペレスを抜くため、パワーを最大限に出すモードを使う許可も出たが、それでも抜けない。そこでチームは後ろのカルロス・サインツJr.とポジションを入れ換え、彼にアタックさせようと判断したのだ。

「次が最終ラップ?」
「これが君のラストチャンスだ。レースはまだ終わっていない。ダメならカルロスにポジションを譲れ、あと2周だ」

 チームが、そう判断したのには理由がある。Q3に進んだフェルスタッペンは予選で使った中古のスーパーソフトを履いていたのに対し、Q2でウォールにヒットしたサインツは残っていた新品のスーパーソフトを履いていたからだ。想定よりもデグラデーションが大きかった今年のシンガポールにおいて、4周新しいスーパーソフトの威力は決して小さくなかったはずだ。

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