2015.09.21

F速分析:神業! ベッテルのペースコントロール


 ペースのコントロールは、第2スティントでも行われていました。ベッテルはSC明け直後の19周目から26周目までは、非常にゆっくりとしたペース(1分52秒台)で走行し、リカルド以下を抑えます(チームメイトのキミ・ライコネンがリカルドを抜くのを手助けしたとも言われていますが、真相は分かりません)。しかし、27周目から一気にペースアップ。なんと1分50秒5という、前の周より3秒近く速いタイムで走り、リカルドを置き去りにします。リカルドはなんとかこれにくっついていこうとしますが、4秒の差を付けられてしまい、30周目にペースだけは追いついたものの、ついぞ差を詰めることはできませんでした。

 そして37周目にはこの日2回目のセーフティカーが出動。これはコース上に侵入者があったからという、考えられないトラブル(とはいえ、これまでに何度かありましたが……)が原因でしたが、ここでベッテルもリカルドもピットインすることになります。結局2回のピットストップは、いずれもセーフティカー中に行われたということになり、成功する可能性があったかどうかは別として、リカルドはアンダーカットを仕掛けるチャンスを奪われてしまいました。

 このセーフティカーが明けた最後のスティントも、ベッテルはペースをコントロールしていた節があります。タイヤを交換した後からチェッカーまで、ベッテルはあたかもトレースしたかの様に、リカルドと同じペース綺麗に並べ、チェッカーを受けました。これは、タイヤに無理をさせず、リカルドとの差を中心に注意を払っていたことの証なのではないでしょうか? おそらく、もしリカルドが一気にペースを上げてきていたら、ベッテルはそれに反応することもできたと思われます。

 長々と述べてきましたが、以上のことを総合すると、ベッテルは見た目以上の圧勝だったのではないか? そう思えてなりません。ベッテルはリスクの面などを全て頭にいれ、計算しながら走り、ペースをコントロールしてタイヤを労り、確実に勝つレースをした。ベッテルが「僕はペースをコントロールし、タイヤをうまく管理して走ることができた」と語っている、その言葉の通りです。

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