2026.05.12

マクラーレンが本拠地『マクラーレン・テクノロジー・センター』を買い戻す。財政状況の改善で長期リース契約を終了


2026年F1第4戦マイアミGP ランド・ノリス(マクラーレン)
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 マクラーレンは、アメリカの不動産信託企業グローバル・リース・ネットワーク社から、イギリスのウォーキングにある本拠地『マクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)』を買い戻した。これにより、2021年に合意した長期リース契約を終了した。このことは、この5年間でマクラーレンの財務状況がどれほど改善したかを示す素晴らしい指標と言えるだろう。

 2010年代の初め、マクラーレン・グループ全体は深刻な苦境に陥っていた。レーシング部門の業績不振に加え、ロードカー部門でも数年にわたって多額の赤字が続いていたためだ。10年前のマクラーレンはもはやトップチームとは見なされておらず、成績も振るわなかったため、スポンサーを獲得するのも難しかった。こうした状況により、バーレーンの株主たちは損失を補填するため、マクラーレン・グループに多額の資金を投入しなければならなかった。

マクラーレン・テクノロジー・センター
マクラーレン・テクノロジー・センター

 ザク・ブラウンがマクラーレン・レーシングのCEOに就任すると、ブラウンは再建計画を策定し、事態は着実に正しい方向に戻り始めた。しかしモータースポーツや自動車業界において、奇跡のような状況の改善はあり得ず、昨年までは資金流入が必要だった。バーレーンの株主らはマクラーレンへの資金投入に疲れ果てており、2021年半ばにマンスール・オジェが亡くなって以来、新たなパートナーを積極的に探していた。

 資金調達の最初の策として、ブラウンはグローバル・リース・ネットワーク社と契約を結び、チームの本拠地であるMTCを1億7000万ポンド(約362億5275万円)で売却。20年間のリースバック契約を保証した。またマクラーレンは会社の負債をすべて解消することを目標として、2020年にバーレーン国立銀行から1億5000万ポンド(約319億8772万円)の融資を受けており、その後F1チームの株式の15%をアメリカを拠点とするスポーツ投資グループのMSPスポーツ・キャピタルに1億8500万ポンド(約394億5152万円)で売却した。

ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシング CEO)
2026年F1第1戦オーストラリアGP ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシング CEO)

 これら3件の契約によって、最終的にマクラーレン・グループは再建の軌道に乗り、投資家にとって魅力的な投資対象となった。これこそバーレーンの株主たちが長らく目指してきたことであり、またアブダビ政府が所有する投資会社のCYVNホールディングスLLCがマクラーレン・オートモーティブを買収し、マクラーレン・レーシングの非支配株を取得したことも発表された。

 専門投資会社のCYVNホールディングスLLCは、先進的なスマートモビリティ分野に投資を行っている。世界中の業界のリーダーへの投資やパートナーシップを通じて、スマートモビリティ分野のプラットフォームを構築するというCYVNホールディングスLLCの目標を考えると、マクラーレン・オートモーティブの買収は同社の目標に合致するものだであり、またグループ全体にもたらされた資金の投入は、F1チームにとって非常に有利な状況を生み出した。

 これらすべてが相まって、マクラーレン・グループは売却から5年でMTCを買い戻すことが可能になり、グローバル・リース・ネットワーク社への年間ローンの支払いが不要になるだけでなく、同社への純利益も確保することができた。まさに全員にとってウィンウィンの状況と言えるだろう。



(Text : GrandPrix.com)

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