ニューウェイの代表就任は一時的措置の可能性も。コーウェル降格の舞台裏と、アストンの人事にまつわる推測
エイドリアン・ニューウェイがアストンマーティンF1の新たなチーム代表に任命されたことは驚きをもって受け止められた。最近、新代表候補として、クリスチャン・ホーナー、アンドレアス・ザイドル、さらにはマッティア・ビノットの名前まで挙がっていたなかでの発表だった。しかし、ルサイル・インターナショナル・サーキットでチームの主要メンバーに話を聞いたところ、新たな状況が見えてきた。
ある情報源によれば、ニューウェイをチーム代表に任命し、アンディ・コーウェルを新設のチーフ・ストラテジー・オフィサーに降格させるという決定は、性格的な問題でふたりが衝突した結果であるとみられる。アストンマーティンは、来季に向けて進めている重要な決定からコーウェルを一定期間遠ざける意向で、その後、適切な時期を経て、コーウェルはチームを去ることになる可能性が高いという。

コーウェルがCEO兼チーム代表に就任した時点では、彼の職務は組織全体を自らの判断で運営することであり、エンジニアとしてのバックグラウンドが、技術面の運営を指揮する立場に立つ上で大きな助けとなるはずだった。しかし数カ月後、ニューウェイがマネージングテクニカルパートナーとして加入すると、彼がアストンマーティンの技術面すべてを掌握する立場になることが、直ちに明らかとなった。
ニューウェイの加入はチーム内におけるコーウェルの権限を縮小させただけではなかった。ふたりは多くの重要な技術的課題について異なる見解を持っていたため、意見の衝突が次第に増えていった。そして最終的な対決の場になれば、ニューウェイが常に勝者となった。
チームの共同オーナーであるローレンス・ストロールは、ニューウェイの採用に多額の投資をし、彼に会社の株式を与え、技術面の全権を委ねた。そのためストロールには、コーウェルの肩を持ってニューウェイの邪魔をするつもりはなかった。そうしてコーウェルは外されることになったのだ。
しかし、カタールで得た情報によれば、ニューウェイは来年チーム代表に就任しても、毎回現場に姿を現すようなことはなさそうだ。2026年にはサーキットには数戦しか現れず、ファクトリーでの日常業務を取り仕切る予定もないという。実際のところ、肩書きを除けばニューウェイの日常業務には何も変化がないと考えられており、元チーム代表のマイク・クラックがサーキット現場での責任をすべて引き継ぎ、レースチームとファクトリーの運営を担当し、経験豊富なスポーティングディレクター、アンディ・スティーブンソンがそれを補佐することになると見られている。

そしてアストンマーティンは最終的に、クラックより経験豊富な人物を新たなチーム代表として採用する意向のようだ。ただし、その役割はニューウェイの考え方やスタイルと衝突しないものでなければならない。その人物は、ニューウェイが望まない業務、つまりファクトリー運営、スポンサーやメディア対応、FIAやF1との非技術的な会議、ファンとの交流などをすべて引き受けることになる。したがって、コーウェルが表舞台から姿を消し、新天地へと移った後、数カ月後には、ホーナー、ザイドル、ビノットの名前が、再びチーム代表候補として挙がる可能性がある。