【】マクラーレンの違反発覚は、ライバルたちの疑念がきっかけか
11月28日
F1ラスベガスGPでのマクラーレンの2台失格のきっかけは、疑念を抱いたライバルたちがFIAに対してMCL39のプランクの詳細な検査を求めたことだと考えられている。そして、その疑念は、ランド・ノリスとレースエンジニアのウィル・ジョセフの間で交わされた無線メッセージによって生じた可能性がある。
レースを完走したすべてのマシンはFIA技術代表の車検を通過しなければならないが、現世代のマシンは非常に複雑であるため、隅から隅まですべてが検査されるわけではない。1台だけがFIAの技術チームの下に数時間留め置かれ、完全に検査されるが、その他のマシンはオフィシャルによってランダムに検査される。しかし、技術代表のジョー・バウアーがマシンやチームに何か問題があると疑った場合は、疑わしい箇所が徹底的に検査される。ラスベガスで起きたのはまさにそれだった。

少なくともマクラーレンの1台に何かが起きているという疑念は、レース直後ほぼ即座に浮上した。
フェラーリのフレデリック・バスール代表が、レッドブル代表ローレン・メキースがF1 TVのインタビューを行っている時に割り込んだ。これは前例のない行動だ。ふたりは1分も経たない短い会話を交わした後、メキースはカメラの前に戻って謝罪し、すぐに立ち去った。
記者たちは、バスールがメキースに対し、すぐさま空港へ向かいヨーロッパへ直行するプライベート便に乗るよう促したのだと推測した。しかし、その夜、彼らはプライベート便ではなくFOMのチャーター便に乗ったため、記者たちの推測が誤っており、バスールとメキースの会話の内容が別のことだったのは明らかだった。

すべてのチームが、他の全チームの無線メッセージをリアルタイムで聞くために人員を配置している。そしてラスベガスでは、ウィル・ジョセフがノリスに対し、路面が最もバンピーなブレーキングエリアでリフト&コーストを行うよう執拗に指示していたことで、マクラーレンがMCL39のプランクの合法性について懸念しているのではないかという疑念を、ライバルたちは持った。
ターン5、11、17の手前でリフト&コーストを行うよう指示されたノリスは、この暗号化されたメッセージを理解し、エンジニアに対し、「DRSを使うのをやめた方がいい? オーバーテイクボタンを使ってほしい?」と尋ねた。「やらなきゃいけないことは何でもやろう……何をすればいいか教えてくれ」と言うノリスに対して、エンジニアは「では、もっとやってくれ」と答えた。
あるチームの情報筋によると、ノリスとオスカー・ピアストリは、フォーメイションラップの時点でさえ、コースの最もバンピーな区間では注意するよう指示されていた。しかし、ふたりともオープニングラップでポジションを失ったことで、プッシュせざるを得なくなり、何度もライン外を走行することになった。

2台のMCL39がライバルよりもはるかに多くボトミングしていることは極めて明白で、コースの数カ所でマシンの下から大量の火花が飛び散っていた。これはスキッドブロックが路面に激しく接触している証であり、プランクが通常よりもはるかに摩耗していることを示す強い手がかりだった。
この件についてライバルたちはFIAに警告した。バスールは、レースが終了するとすぐにエンジニアリングチームから情報を得て、急いでメキースに状況を伝えた。マクラーレンのマシンを詳しく調査させることは、フェラーリにとってもレッドブルにとっても利益になるからだ。
メルセデスもこの問題を認識していたようだ。3つのトップチームがマクラーレン2台のプランクを詳細に調査するようFIAに強く求めれば、バウアーとそのスタッフが動くのは間違ない。そういう経緯で失格の裁定が下された可能性があると考えられている。
(Text : GrandPrix.com)

