【決勝日レポート】
フェルスタッペン完勝。角田裕毅は6ポジション上げ入賞【F1アメリカGP決勝レポート】
現地時間10月19日、2025年F1第19戦アメリカGPの決勝レースがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで自身通算68勝目/今季5勝目を飾った。
2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は7位となった。
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今季19戦目の舞台はテキサス州オースティン近郊に位置するサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。 タイヤコンパウンドは、20台中14台がミディアムタイヤミディアムタイヤ(イエロー/C3)を装着。そんななか、上位勢では3番グリッドのルクレールが3周ユーズドのソフトタイヤ(レッド/C4)をチョイスした。
気温28度、路面温度45度、湿度23パーセントというコンディションで、56周のレースはスタートを迎えた。前日のスプリントで多重クラッシュが発生したターン1は大きな混乱なく、ポールシッターのフェルスタッペンが首位をキープする。
上位勢でただひとりソフトタイヤを履くルクレールはターン1でノリスをアウト側からかわし2番手に浮上。3番手ノリス、4番手ルイス・ハミルトン(フェラーリ)、5番手オスカー・ピアストリ(マクラーレン)というオーダーに。
13番グリッドスタートの角田は混雑するターン1でポジションを上げると、2周目には入賞圏内の10番手に。ミディアムタイヤでのレースペースは好調で、翌3周目にはオリバー・ベアマン(ハース)を攻略し9番手に。そこからは8番手カルロス・サインツ(ウイリアムズ)、7番手アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の背中を追う展開となった。
4周目を迎えるころにはソフトタイヤにデグラデーション(性能劣化)の影響が見られるようになり、ルクレールはフェルスタッペンに2.5秒のギャップをつけられDRSが使えず、3番手ノリスの猛追を受けることに。ただ、ノリスはルクレールをなかなか攻略できず、ルクレールを先頭に各車トレイン状態となる。
そんななか、6周目に角田の前にいたサインツがターン15でアントネッリに追突。サインツはマシンを止め、バーチャル・セーフティカー(VSC)導入に。前の2台が後退したことで、角田は7番手に浮上する。
2番手ルクレールはVSC中にタイヤを休ませた影響か、9周目にVSC解除となるとペースが改善し、3番手ノリスとのギャップを一時は2秒まで広げる。それでも15周目を迎えるころには再びルクレールのペースが落ち、ノリスがテールにつく。
ノリスはセクター3の低速コーナーでオーバーテイクを幾度と試み、21周目にようやくルクレールをパス。ノリスが2番手に浮上するが、その時点でフェルスタッペンは11秒のギャップを築いていた。3番手に下がったルクレールは、23周目にミディアムタイヤに交換する。
一方、7番手角田は6番手ラッセルのペースについていくことができず、25周目時点で6秒差がついてしまう。それでも角田は後ろの8番手ベアマンに対して2秒のギャップを築く。
レース後半を迎えた30周目、ミディアムスタート勢で上位につける7番手角田がソフトタイヤに履き替えた。この動きに反応して翌31周目には6番手ピアストリ、8番手ベアマンら、33周目に2番手ノリス、35周目にフェルスタッペンがソフトに履き替え、ミディアムスタート勢は総じてソフトに履き替える展開に。これでフェルスタッペンは2番手ルクレールの5秒前でコース復帰。ノリスはルクレールにアンダーカットされ、再び3番手に。
そんななか、35周目のターン15で8番手ベアマンが7番手角田に仕掛けた。しかし、ベアマンは強引に角田のインに入った結果、あわや接触という危うい状況となり、ベアマンは回避行動の末スピン。このベアマンの後退で角田を追うのは、5秒後ろのヒュルケンベルグとなった。先行するラッセルとは11秒差となり、角田は単独走行が続く。
40周目を迎えると、3番手ノリスが2番手ルクレールの背後についた。ルクレールに対しDRSが使えるノリスだったが、交換から8周を迎え「(ソフト)タイヤが終わった」と無線を飛ばす。それを証明するかのように、43周目にノリスはルクレールから2.3秒差となりDRSが使えなくなる。
同じくソフトタイヤに履き替えたフェルスタッペンもタイヤを労りペースダウン。ルクレールとのギャップが僅かに縮まる展開となったが、それまでに築いたギャップは大きく、フェルスタッペンの首位は揺るがなかった。
一方、再びルクレールの背後につくことが叶ったノリスは、51周目のターン1でオーバーテイクを仕掛けた。ここではルクレールがポジションを守るが、その周のターン12で仕掛けたオーバーテイクは成功し、ノリスが2番手の座を取り戻す。ただ、その時点でフェルスタッペンは7秒先にいた。
56周目を終え、フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで自身通算68勝目/今季5勝目を飾った。7.959秒差の2位にノリス。15.373秒差の3位にルクレールが続いた。
以下、4位ハミルトン、5位ピアストリ、6位ラッセル、7位角田、8位ヒュルケンベルグ、9位ベアマン、10位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)までが入賞となった。
次戦となる2025年F1第20戦メキシコシティGP(メキシコGP)は10月25〜27日に、標高約2300メートルに位置するアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開催される。