Q2敗退も、前日の反省が活きた予選「早すぎたがアタックできないよりはいい」スタートの遅れも改善【角田裕毅F1第19戦展望】
2025年F1第19戦アメリカGPの土曜日。この日の角田裕毅(レッドブル)は、過去の失敗から立ち直る1日となった。
まずスプリントでは、スタート直後に大きく出遅れたスタートを見直した。
「ウォームアップを見直して、うまく合わせ込めたと思います」と言う角田は、1コーナーのブレーキングで4〜5台を一気に抜き去った。
「もちろん、リスクはあったのですが、今回はブレーキで攻めることができたのがよかったです」
その直後、前方で発生した多重クラッシュをうまくかいくぐり、さらにポジションを上げる。ただし、このとき角田のフロントウイングの下に、コース上に落ちいていたニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)のフロントウイングが挟まり、角田は約半周引きずりながら走行。幸い、ヒュルケンベルグのフロントウイングは9コーナーを過ぎたところで自然に外れ、角田はレースを続行できた。
その後の角田のペースは悪くなく、18番手からスタートした19周のスプリントを7位でフィニッシュ。コンストラクターズ選手権3位の座をメルセデス、フェラーリと争うチームに貴重な2ポイントを持ち帰った。
スプリント後にマシンをチェックして、フロアにダメージが見つかったため、チームはフロアを交換。前日のスプリント予選ではチームの不手際からピットアウトが遅れて、アタックできなかった反省から、この日の予選は早めに動いた。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズはトラックエボリューションが大きく、Q1で早めに最終アタックを完了していた角田は、後からアタックしてきたライバル勢がタイムを上回ったことで、危うくQ1落ちしてしまうところだった。それでも角田は「確かに早すぎたと思いますが、アタックできないよりはいい」と、Q2でも早めに動いた。
しかし、そのQ2で角田は2回ともコース上にいたライバルと悪い形で遭遇し、満足なアタックができずに13番手に終わった。1回目はリアム・ローソン(レーシングブルズ)で、2回目はピエール・ガスリー(アルピーヌ)だった。
「ローソンはローソンなんで。彼はいつも意図的にやるんです。正直、彼のことは気にしていません」と語った角田は予選後、ミックスゾーンでガスリーと身振り手振りを交えて話し合っていた。
「(ガスリーは)『自分がやったことは別に悪くない』と言っていましたが、明らかに邪魔でした。僕としては左側にいてほしかったのに、彼がいたのは右でした。ガスリーに関しては、残念です」
トップ10まで約0.2秒。もし、邪魔されていなかったら、あるいはフロントウイングが最新のものだったら、Q3へ進出していたことだろう。