メルセデス代表、“未開拓市場”韓国でのF1復活を提案。急成長を見せたファン層とSNS上での活発な動きを指摘
メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフはF1に対し、2013年を最後にグランプリが開催されていない韓国に戻る道を見つけるよう促した。ウォルフによれば、韓国はF1にとって“未開拓の市場”だといい、『Reuters』に対し韓国は「しばらくの間、未開拓の市場だった」、「特にF1がここ数年、とりわけ若いターゲット層のなかで非常に強く成長したことを考えるとなおさらだ」と語った。
シンガポールには韓国の若いファンが大勢おり、彼らの存在が、ウォルフがF1を韓国に呼び戻すよう促すきっかけとなった。ウォルフは、「最も急成長している顧客層は15歳から24歳の若い女性で、彼女たちはソーシャルメディアで非常に活発だ」と指摘した。
「韓国はソーシャルメディアとのつながりが極めて強い国だ」
「F1がこの10年間でどのように変化したかということを、戻って見せることができれば素晴らしいことだろう」
ウォルフは、ソウルから南に100km足らずのところに位置するサーキットのAMGスピードウェイで、今週日曜日に開催されるイベントのプロモーション中にこの話をした。バルテリ・ボッタスが2022年仕様のW13でデモ走行を行う予定だが、ボッタスは10年以上前に行われた最後の韓国GPに出場した数少ないドライバーのひとりだ。
韓国をF1カレンダーに復帰させることを目指す協議は長らく続いているが、確かなのは、もし韓国GPがカレンダーに復帰するとしても、2010年から2013年までのわずか4回しかレースを開催していない韓国インターナショナルサーキットは使用されないということだけだ。このサーキットは国内最南端の木浦という漁村の近くに建設されたが、その地域全体にスポーツコミュニティ、さらにはファンを受け入れるための施設が不足している。つまり同地は現時点のF1の要件を満たすには程遠い状態だということだ。
韓国の首都ソウルに近く、国内最大の国際空港がある仁川の地方自治体は、2021年からF1と交渉を行っており、過去4年間で市長がいくつかのグランプリを視察している。F1のステファノ・ドメニカリCEOとの協議は継続中だが、あまり進展がない。釜山を含む他の都市もこの計画に加わって、今後3、4年でレースを復活させることが望まれている。