ブラウン、激しく衝突したホーナーのF1復帰を期待。「さまざまなタイプの人たちが必要」
マクラーレン・レーシングのCEO(最高経営責任者)であるザク・ブラウンは、クリスチャン・ホーナーが近い将来F1に復帰することを期待していると述べ、ふたりがスポーツに関する多くの分野で意見が一致していないことを認めながらも、前レッドブルF1チーム代表兼CEOの功績を称賛した。
ブラウンとホーナーは過去3シーズンにわたって激しい確執を繰り広げてきた。マクラーレンがレッドブルの支配を脅かす存在となった途端、ふたりの対立は不快なレベルにまで高まり、両者とも相手の成功を妨害しようと一線を越えた。
宿敵ホーナーがF1界から去った今、ブラウンはホーナーに対する批判を和らげ、『Bloomberg(ブルームバーグ)』のインタビューで次のように認めた。「彼はチーム代表としてF1で輝かしいキャリアを築き、ドライバーズ選手権やコンストラクターズ選手権でタイトルを数多く獲得した」
ホーナーとの関係が悪化した理由について、ブラウンは彼の名前を挙げることなく、「このスポーツの世界に入ると、誰もが親友というわけではなくなる。さまざまな性格の人たちがいる。イギリスではあまりお茶を飲まないかもしれないが、このスポーツにはさまざまなタイプの性格の人たちが必要だ」と説明した。
「それがこのスポーツをとてもエキサイティングなものにしている。Netflix効果もあるようだが、これはコース外で起こることだ。我々のスポーツは、コース上での競争が非常にエキサイティングなだけでなく、コース外でも多くの競争があるという点でユニークだと思う」
ブラウンは続けて「チーム代表とドライバーの小さなグループなので、ファンは我々全員のことを知ることができるだろう。ピットレーンには友人もいれば、そうでない人たちもいるが、それがレースをエキサイティングなものにし、本物にしていると思う」とつけ加えた。
ローラン・メキースがレッドブルでホーナーの後任として代表職に就いた際、ブラウンはこのフランス人エンジニアを大いに称賛していた。メキースがマクラーレンのホスピタリティエリアを訪れ、ブダペストでのチームの勝利についてブラウンとアンドレア・ステラを祝福した後は、特にそうだった。それは、メキースにとってレッドブル・レーシングに加入して以来初のグランプリレースだった。
当時ブラウンは、次のように語っていた。「ローラン(・メキース)が今の役割を担ってくれてうれしい。私はローランを好ましく思っている」
「私たちはコース上での競争にふたたび集中できるかもしれない。スポーツにはつねに政治的な側面がつきものだが、ローランがいればより健全なものになると思う。私はローランのファンで、昔からの知り合いなんだ。彼とレースをするのは楽しいだろう」
ブラウンはその後、「今ピットレーンを見渡すと、我々が政治的に激しく争っているのがわかるが、一線は越えていない。その一線は、以前には越えられたことがある」と締めくくった。