【決勝日レポート】
【F1マイアミGP決勝の要点】規則変更と微調整が生んだトップ4チームの拮抗
前戦日本GPから約1カ月のブランクを経て開催されたF1第4戦マイアミGPを、みなさんは存分に楽しんだのではないだろうか。
19歳のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、前年王者ランド・ノリス(マクラーレン)との激闘を制し、3戦連続ポール・トゥ・ウィンを記録。敗れたノリスは2位で今季初表彰台を掴んだ。7番グリッドから3位まで追い上げたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とともに、マクラーレンの復調を強く印象づけた。そして一時は10番手まで順位を落としながら、5位まで追い上げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)も印象的だった。オーバーテイクシーンを振り返ればフェルスタッペンに限らず、至るところで繰り広げられていた。まさに、見どころ満載のエキサイティングなレースだった。
マイアミGPが面白いレースになった要因のひとつは、今回から実施されたパワーユニット(PU)の規則変更だろう。ストレートの終わりでバッテリー切れを起こして急減速してしまう。あるいはコーナリング中、蓄電の必要から昨年までのようにプッシュできない。といった、ドライバーたちの不満の声に応えるかたちで、主に電気エネルギーの回生方法について、微調整を加えた。
その効果は、間違いなく出たと言える。マイアミ・インターナショナル・オートドロームは長いストレートが2本あるが、第2戦中国GP/上海の最終区間や第3戦日本GP/鈴鹿の130R手前で起きたような、極端な電欠は見られなかった。時速50kmに達したこともあった危険な車速差も、マイアミGPではそこまで大きくなかった。

そしてもちろん、各チームが導入した大幅アップデートも見逃せない。開幕3戦はメルセデス1強状態で、まともに対抗できるのはフェラーリだけだったのが、マクラーレン、レッドブルも一気に速くなった。依然としてメルセデス優位とはいえ、トップ4チームが優勝争いを繰り広げることで、表彰台の顔ぶれは毎戦のように変わることだろう。
車体規約が今季から大きく変わったことも、好影響を与えている。重量は約30kgほど軽くなっただけだが、車体は見た目でもわかるほどスリムになった(ホイールベースは20cm、全幅は10cm縮小)。タイヤ幅も25〜30mm短縮されたことで、ドライバーからすればコースが広くなった印象を持つはず。当然、バトルシーンも増えた。
さらにグランドエフェクト効果を大きく減らしたことで、先行車の乱流の影響を受けにくくなり、かなり近づけるようになった。おかげでブーストやオーバーテイクモードもいっそう効果的に使える。
ただしマイアミはフルブレーキングポイントが比較的多く、エネルギーマネージメントは決して難しいコースではなかった。アゼルバイジャンGP/バクー市街地やイタリアGP/モンツァでは、再び電欠の問題が出ることだろう。とはいえ、2026年のF1技術規則に微調整を加えたことで、F1がいっそう魅力あるものになったことは間違いない。
