2025.09.26

大事故から5年。グロージャンが古巣ハースのF1旧車テストに参加へ。小松代表含むオリジナルクルーが再集結


ハースのTPCに参加することが決まったロマン・グロージャン
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 マネーグラム・ハースF1チームは、かつて所属したドライバー、ロマン・グロージャンをTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)に招き、F1カーで再び走行を行う機会を提供することを発表した。グロージャンは9月26日金曜日にイタリアのムジェロで2023年型マシンVF-23をドライブする予定。

 グロージャンは2016年から2020年までの5シーズンをハースで戦った。2020年11月29日に行われたバーレーンGP決勝のオープニングラップで、グロージャンは大事故に遭い、それが彼にとって最後のF1レースとなった。グロージャンは67Gでバリアに激突、VF-20が大破し、炎上。彼は炎のなかから脱出し、奇跡的に軽度のやけどを負ったのみで済んだことに、誰もが安堵した。

2020年F1第15戦バーレーンGP決勝 ロマン・グロージャン(ハース)が大クラッシュ
2020年F1第15戦バーレーンGP決勝 ロマン・グロージャン(ハース)が大クラッシュ
2020年F1第15戦バーレーンGP 救急車に乗せられるロマン・グロージャン(ハース)
2020年F1第15戦バーレーンGP 救急車に乗せられるロマン・グロージャン(ハース)

 グロージャンは、2020年最後の2戦を欠場、翌年にはインディカーに転向した。メルセデスは彼にF1テストの機会を提供することを申し出たが、パンデミックの影響で延期され、実現していない。今回のハースでのテストは、グロージャンにとって、2020年バーレーン以来初めてF1カーを走らせる機会になる。

 26日のテストでは、グロージャンがハースに所属していた時代のオリジナルクルーたちが彼をサポートする。現在チーム代表を務める小松礼雄は、今回ムジェロで再びグロージャンのレースエンジニアを務める。

 2019〜2020年にグロージャンのレースエンジニアを務め、現在はヘリテージ・チーフエンジニアの役割を担うドミニク・ヘインズが進行を監督、長年グロージャンを支えたNo.1レースメカニックのイアン・スタニフォースも参加する。それ以外にも、グロージャンをかつてサポートした何人かのメンバーも同席する予定だ。

「ロマン・グロージャンが5年ぶりにF1カーへ戻ってくる。彼を迎えることができることが本当にうれしいし、とりわけ彼が我々のマシンで復帰するというのは誇らしいことだ。これほどふさわしい形はないだろう」と小松代表は述べた。

「ロマンと私は彼のF1キャリア全体を通じて一緒に仕事をしてきたので、今回のムジェロでのテストは私たち両方にとって特別な意味を持つ。彼がこの機会を受け入れて再び我々のもとでステアリングを握ることを決めてくれたことが本当にうれしい。多くの元クルーが再集結してこの瞬間を目にすることで、さらに特別な一日になるだろう」

「きっと楽しい一日になるはずだ。ロマンをよく知っているので、彼がいつものように全力を尽くしてくれることは分かっている。それは間違いない。我々はこの機会の実現について、長い間話し合ってきた」

ロマン・グロージャン
ハースのTPCに参加することが決まったロマン・グロージャン

 グロージャンは、「TPCへの参加に招待してくれた(チームオーナーの)ジーン・ハースと小松礼雄には本当に感謝している」とコメントした。

「F1カーのステアリングを再び握れることへの興奮は、言うまでもなく、表現しきれないほどだ。もうほぼ5年も経ったというのは信じられないが、古巣のチームとこうして走れることは本当に特別なことだ。皆に会えるのが楽しみだし、きっと昔話にも花を咲かせるだろうが、同時にVF-23に関するトラックサイドの作業にも役立ちたいと思っている。チームが継続的な開発の一環としてTPCプログラムを持っているのは素晴らしいことだ」

「私の最後のグランプリになるはずだった2020年アブダビGPに向けて子供たちがデザインしてくれたヘルメットを、金曜日についにF1マシンに乗って、試すことができる」

 金曜日のTPCには、元インディカードライバーで現在F1解説者を務めるジェームズ・ヒンチクリフも参加、F1走行に初めて挑戦する予定。その模様は、F1公式TVチャンネルの特集として、アメリカGPの週末に放送されるということだ。



(autosport web)

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